フィルムカメラ

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フィルムカメラとは、撮影に撮影用フィルムを用いるカメラのこと。銀塩カメラと呼ぶことがある。フィルムカメラはより広い定義の分類であり、本稿ではスチル写真用のカメラを主として説明する。

概要[編集]

一般的には「パトローネ」と呼ばれる容器に入ったフィルムをセットし、フィルムを感光させることで記録する光学機器である。対応するパトローネとフィルムであれば様々な種類のフィルムを使用することもできる。レンズ・ファインダー・シャッター・シャッタースピードや絞りの調整などはデジタルカメラ同様であるが、フィルムを収める場所やフィルムの巻き上げ機構などはデジタルカメラに無いものである。一方、液晶によるファインダーの代替や撮影結果の確認はできず、現像まで写真の成否はわからない。

フィルムの規格[編集]

よく使用されるフィルムの規格として、代表的なものを挙げる。

  • 35mmフィルム - 写真用フィルムとして最も普及したものである。
  • APSフィルム - 次世代のフィルムとして開発されたものの、デジタルカメラに押され終焉を迎える。
  • 110フィルム - 小型のフィルムで、メガネのような独特のパトローネが特徴。

デジタルカメラにおいてもこのフィルム規格の名残があり、35mmフルサイズといわれるイメージセンサは35mmフィルムとセンササイズが同じことを表しているほか、短命だったAPSフィルムについてもAPS-Cという名を残している。110フィルムについては偶然か意図的かマイクロフォーサーズのセンササイズとほぼ同じである。

フィルムの種類[編集]

フィルムはネガフィルムとポジフィルムの2種に分けられる。ネガフィルムはネガとも呼ばれることがあり、一般的に写真用フィルムという場合は「35ミリフィルムのカラーネガフィルム」であることが多い。モノクロネガフィルムは自家現像が容易なこともあり、写真入門として用いられることも多かった。
ポジフィルムはリバーサルフィルムといい、写真ではなくフィルムの時点で完成されたものになる。そのため専用のスリーブやスライドマウントに保管し、ライトボックスなどで光を透過させて楽しむ。適切に露光できている場合、まるでファインダー越しの風景をそのまま切り取ったかのような美しさがある。

フィルムカメラの現状[編集]

2022年現在、一般用のフィルムカメラは一部の愛好家のみが使用しているのがほとんどであり、土木や法機関などでもデジタル化により使われることはなくなってきている。一方で富士フイルムが販売するインスタントカメラのチェキシリーズは一定数の需要があり、レンズ付きフィルムの写ルンですも根強い人気が残っている。富士フィルムによるフィルムの再生産などファンにはうれしいニュースがある一方、現像所が少なくなったり状態のいいフィルムカメラが少なくなるなど取り巻く現状には厳しいものがある。

関連項目[編集]