チャイコフスキー国際コンクール

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チャイコフスキー国際コンクール(こくさい、International Tchaikovsky Competition)はクラシック音楽の世界三大音楽コンクールの一つである。1958年以降、4年ごとにロシアのモスクワ音楽院で開催される。ロシア連邦政府とその文化省が後援し、16歳から32歳までの演奏家が参加できる。競技部門はピアノ、バイオリン、チェロ、声楽(男性歌手と女性歌手)である。2019年から管楽器 (木管楽器金管楽器) 部門が新設された。

ロシアの作曲家ピョートル・チャイコフスキーを記念して名がつけられている世界最高峰の音楽コンクールの一つである。ロシア人音楽家、音楽大学教授、音楽監督、過去のコンクール入賞者らによる国際審査員団が審査を行う。各部門の1位受賞者の中から「グランプリ」1名が選出される。グランプリには10万円の小切手(加えて第1位の賞金と金メダル)が贈られる。各部門の優勝者には3万ドルと金メダル、第2位に2万ドルと銀メダル、第3位に1万ドルと銅メダルが贈られる。

概要[編集]

第一回コンクールは1958年に行われた。当初は、ピアノ部門とバイオリン部門だけであった。1962年の第二回からチェロ部門が加わった。声楽部門は第三回の1966年からである。1990年からはヴァイオリン製作者のコンクールが前日に行われる。

2011年からモスクワサンクトペテルブルクの2つの都市で開催される[1]


歴代コンクール[編集]

ピアノ部門[編集]

開催年 優勝者 2位 3位
1958 ヴァン・クライバーン(USA) レフ・ヴラセンコ(ソ連)、
劉詩昆(中国)
ナウム・シュタルクマン(ソ連)
1962 ウラディミール・アシュケナージ(ソ連)、
ジョン・オグドン(イギリス)
スーザン・スラー(アメリカ)、殷承宗(中国) エリソ・ヴィルサラーゼ(ソ連)
1966 グリゴリー・ソコロフ(ソ連) ミッシャ・ディヒター(アメリカ) ヴィクトル・エレシュコ(ソ連)
1970 ウラジミール・クライネフ(ソ連)、
ジョン・リル(イギリス)
オラシオ・グティエレス(アメリカ) アルトゥール・モレイラ=リマ(ブラジル)、
ヴィクトリア・ポストニコワ(ソ連)
1974 アンドレイ・ガヴリーロフ(ソ連) スタニスラフ・イゴリンスキー(ソ連)、
チョン・ミュンフン(アメリカ)
ユーリ・エゴロフ(ソ連)
1978 ミハイル・プレトニョフ(ソ連) パスカル・ドヴォワヨン(フランス)、
アンドレ・ラプラント(カナダ)
ニコライ・デミジェンコ(ソ連)、
エフゲニー・リュイフキン(ソ連)
1982 なし ピーター・ドノホー(イギリス)、
ウラディーミル・オフチニコフ(ソ連)
小山実稚恵(日本)
1986 バリー・ダグラス(イギリス) ナタリア・トゥルーリ(ソ連) イリーナ・プロトニコワ(ソ連)
1990 ボリス・ベレゾフスキー(ソ連) ヴラジーミル・ミシチュク(ソ連) ケヴィン・ケナー(アメリカ)、
アントン・モルダソフ(ソ連)、
ヨハン・シュミット(ベルギー)
1994 なし ニコライ・ルガンスキー(ロシア) ワディム・ルデンコ(ロシア)、ハエ=スン・パイク(韓国)
1998 デニス・マツーエフ(ロシア) ワディム・ルデンコ(ロシア) フレディ・ケンプ(イギリス)
2002 上原彩子(日本) アレクセイ・ナビウリン(ロシア) ジン・ジュー(中国)、
ポノチェヴヌィ・アンドレイ(ベラルーシ)
2007 なし ミロスラフ・クルティシェフ(ロシア) アレクサンダー・ルビアンツェフ(ロシア)
2011 ダニール・トリフォノフ(ロシア) ソン・ヨルム(韓国) チョ・ソンジン(韓国)
2015 ドミトリー・マスレエフ(ロシア) ジョージ・リー(USA)、ルーカス・ゲニューシャス(ロシア) ダニエル・ハリトーノフ(ロシア)、
セルゲイ・レトキン(ロシア)
2019 アレクサンドル・カントロフ(フランス) 藤田真央(日本)、ドミトリ・シシュキン(ロシア) コンスタンチン・イミリャノフ(ロシア)、
ケネス・ブロバーグ(USA)、
アレクシー・メルニコフ(ロシア)

バイオリン部門[編集]

開催年 優勝者 2位 3位
1958 ヴァレリー・クリモフ(ソ連) ヴィクトル・ピカイゼン(ソ連) ステファン・ルハ(ルーマニア)
1962 ボリス・グートニコフ(ソ連) シュムエル・アシュケナジ(イスラエル)、
イリーナ・ボチュコヴァ(ソ連)
ニーナ・ベイリナ(ソ連)、
久保陽子(日本)
1966 ヴィクトル・トレチャコフ(ソ連) 潮田益子(日本)、
オレグ・カガン(ソ連)
オレグ・クルイサ(ソ連)、
佐藤陽子(日本)
1970 ギドン・クレーメル(ソ連) ウラディーミル・スピヴァコフ(ソ連)、
藤川真弓(日本)
リアーナ・イサカーゼ(ソ連)
1974 なし ユージン・フォドア(アメリカ)、
ルーベン・アガロニアン(ソ連)、
ルスダン・グヴァサリア(ソ連)
マリー=アニク・ニコラ(フランス)、
ヴァニヤ・ミラノヴァ(ブルガリア)
1978 イリヤ・グルーベルト(ソ連)、
エルマー・オリヴェイラ(アメリカ)
ミハエラ・マルティン(ルーマニア)、
ディラーナ・ジェンソン(アメリカ)
イリーナ・メドヴェデヴァ(ソ連)、
アレクサンドル・ヴィニツキー(ソ連)
1982 ヴィクトリア・ムローヴァ(ソ連)、
セルゲイ・スタドレル(ソ連)
加藤知子(日本) ステファニア・シェーズ(アメリカ)、
アンドレス・カルデネス(アメリカ)
1986 イリヤ・カーラー(ソ連)、
ラファエル・オレグ(フランス)
シェ・ウェイ(中国)、
マクシム・フェドトフ(ソ連)
ジェーン・ピーターズ(オーストラリア)
1990 諏訪内晶子(日本) エフゲニー・ブシコフ(ソ連) アリッサ・パーク(アメリカ)
1994 なし アナスタシア・チェボタリョーワ(ロシア)、
ジェニファー・コー(アメリカ)
グラーフ・ムルジャ(ロシア)、
マルコ・リッツィ(イタリア)
1998 ニコライ・サチェンコ(ロシア) ラティサ・ホンダ=ローゼンベルク(ドイツ) イジョン・パン(中国)
2002 なし 川久保賜紀(日本/アメリカ)、Chen Xi (中国) タチアーナ・サムイル(ロシア)
2007 神尾真由子(日本) ニキータ・ボリソグレブスキー (ロシア) 有希・マヌエラ・ヤンケ (ドイツ)
2011 なし セルゲイ・ドガディン (ロシア)、
イタマール・ゾルマン (イスラエル)
Jehye Lee (韓国)
2015 なし ユーチン・ツェン (台湾) ハイク・カザジャン(ロシア)、
アレクサンドラ・コヌノーヴァ(モルドバ)
パーヴェル・ミリューコフ(ロシア)
2019 セルゲイ・ドガディン(ロシア) マルク・ブシュコフ(ベルギー) キム・ドンヒュン(韓国)

木管楽器部門[編集]

開催年 優勝者 2位 3位
2019 MATVEY DEMIN
(フルート、ロシア)
JOIDY BLANCO
(フルート、ベネズエラ)
ALESSANDRO BEVERARI
(クラリネット、イタリア)

金管楽器部門[編集]

開催年 優勝者 2位 3位
2019 YUN ZENG(フレンチホルン、中国)
ALEKSEY LOBIKOV(トロンボーン、ロシア)
FEDOR SHAGOV(チューバ、ロシア) FELIX CAMILLE JEAN DERVAUX
(フレンチホルン、フランス)

第16回公式ページ[編集]

第16回チャイコフスキー国際コンクール

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