タイマイ

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タイマイ
分類
カメ目
上科ウミガメ上科
ウミガメ科
タイマイ属
タイマイ
名称
学名Eretmochelys imbricata
(Linnaeus, 1766)
和名タイマイ (玳瑁・瑇瑁)
英名Hawksbill sea turtle
保全状況
IUCNレッドリスト近絶滅種 (IUCN 3.1)
ワシントン条約附属書 I

タイマイとは、ウミガメの一種である。

形状[編集]

甲長50~110cm、体重120kgになる。

背面は、茶褐色の地に黒褐色の斑紋があり、腹面は淡黄色である。

肋甲板ろっこうばんは4対で、椎甲板ついこうばんは5枚。鱗板りんばんは、若い個体は敷石状であるが、成長すると瓦状に重なるようになる。

英名の「Hawksbill turtle」は、口がタカの様にとがっていることからそう名づけられた。

生態[編集]

太平洋インド洋大西洋に分布する。サンゴ礁がある浅海に生息する。

日本では中部以南の太平洋岸に現れることがあり、南西諸島の一部に産卵することもある。

海綿類や貝類、カニ、海藻類、サンゴを食べる。口はくちばし状になっており、サンゴの間の小動物を捉えたり、貝類を食べるのに適している。

産卵時は、砂浜に上陸して、20~30cmの穴を掘り、約90~150個ほどの卵を産む。

分類[編集]

本種は、タイマイ属の唯一の種である。

タイマイは、カール・リンネによりTestudo imbricataという名で記載された。

1843年にレオポルト・フィッツィンガーがタイマイ属を提唱した。タイマイ属の学名であるEretmochelysは、「eretmo (オール)」と「chelys (カメ)」のかばん語である。

基亜種のタイヘイヨウタイマイ(E. i. imbricata)とタイセイヨウタイマイ(E. i. bissa)の2亜種を認める説もあったが、現在では単独種とされる。

人間との関係[編集]

甲羅はべっこう細工の材料になり、「ベッコウガメ」という別名もある。
卵や肉が食用になるというが、「食っても不味い」と云われ、「食うんだったらアオウミガメ」とされている。地域によっては肉に毒があり、タイマイと思われるウミガメを食べて食中毒になった事例も存在する。
乱獲や砂浜の開発、防風林の伐採、人為的な騒音などにより、個体数が減少している。
環境省レッドリストには絶滅危惧IB類、 IUCNのレッドリストでは近絶滅種に指定されている。