グランドツーリングカー
グランドツーリングカー(Grand Touring Car)とは、自動車の分類方法の一種。日本では略称のGTカーや単にGTと呼称するほか、イタリア語のグランツーリスモを使うこともある。18世紀のイギリス貴族にみられた大旅行(グランドツアー)が語源とされている。
概要[編集]
車のスペックに着目したカテゴライズであり、高速域でも余裕のある出力と快適な乗り心地を有しており、長距離を快適に移動できる2ドアクーペや4ドアセダン、ステーションワゴンなどが該当する。走行性能を重視した車のうち、スポーツカーほど快適性を犠牲にしていないものがGTカーに分類されることもある。
日本においては1964年に登場したいすゞ・ベレットGTが初めてGTを名乗り、その後は2代目スカイラインの限定モデルに2000GT-Bが設定されるなど、高性能グレードの一つとしてGTが使われるようになっていった。販売戦略でもGTという語は使われており、1977年に2代目セリカが登場した際は「名ばかりのGTは道を開ける」、「ツインカムを語らずに、真のGTは語れない」などと5代目スカイラインを挑発するキャッチコピーであった[注 1]。
通常モデルよりも運動性能が高めなグレードにGTの名を与えるケースもあれば、最上位グレードよりも運動性能をマイルドにしたグレードにGTの名を与えるケースもある。前者の例とすれば日産・スカイラインにおけるGT-Rであり、後者のグレードであればスバル・インプレッサ(3代目)のWRXSTIに対するS-GT(2.0GT)などが該当する。
モータースポーツにおいては国際自動車連盟や日本自動車連盟で規定されており、2シーターか2by2シーターのクーペを「グランドツーリングカー」と定義している[注 2]。この定義に則った規定がGT500のクラス1規程であったり、グループGT3やGT4、ル・マン耐久グランドツーリングカー規程がこれにあたる。