カイコ

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カイコ(蚕)とは、カイコガと呼ばれる昆虫の品種のひとつであり、「」の一種である。カイコのからは絹糸(「けんし」「きぬいと」とほぼ同義)を製糸することができ、この糸で織った布がいわゆる「シルク」である。「シルクロード」はこのシルクを輸送していたルートに由来する通称である。

概要[編集]

家畜化されているため、成虫は飛べない。もっぱらが食草である。

人間生活との関わり・利用[編集]

日本では皇室において飼育されている。

日本の養蚕技術・紡績技術は世界一であり、戦前の中等教育高等教育において、農蚕学校高等蚕糸学校が存在した。

ナイロンなどの合成繊維が一般化したことにより需要が減り、価格が急落。養蚕業者が相次いで廃業し、現在では生産者は少ない。現在では人件費の安い中国インドで大量生産されおり、世界の総生産量の九割を超える。
とはいえインドはバターの生産量も消費量も世界一である一方、高級バターといえばフランスや日本であるように、日本は「大量生産ではなく品質」を目指した方向に進んでおり、繭から製糸する際の技術だけでなく繭そのものを作る蚕自体の研究も盛んである。
外科手術においても、かつては糸(こちらは「きぬいと」)が用いられていた。身体に吸収されるため抜糸する必要がないので便利ではあるが、「色が黒いのはなんとかならんのですか」と先生に伺ったら、「医療用は黒しかないんだよ」とのこと。以来、「人体に吸収される黒色染料というのは何なのか」が謎である。
かつては貴重な収入源でもあったことから、養蚕が盛んであった地方を中心に「お蚕様」(おかいこさま)と呼ばれることもある。

脚注[編集]

関連作品[編集]

カムイ伝』では庄助が被差別部落の住人に養蚕の手ほどきをしていた。

関連項目[編集]