ナマズ

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ナマズ(鯰、Silurus asotus)とは、ナマズ目ナマズ科の魚類である。「マナマズ(真鯰)」や「ニホンナマズ(日本鯰)」とも。

概要[編集]

マナマズは全長60cm。頭が平たく、口は大きい。

目は背側。体色や模様は個体差が大きい。
尾びれの後縁の中央が凹んでおり、背ビレとつながる。

成魚は、顎に長い髭が2対あり、稚魚はもう1対ある。

胸びれの節は1棘と12~13本の節があり、近縁種のビワコオオナマズと比べると少ない(1棘13~15軟条)。

なお、大陸には大物のナマズもおり、「メコンの怪物」として知られるパンガシアノドン・ギガスがいる。中国にもナマズはいるが、「鯰」ではなく「鮎」と表記される。その他、ヨーロッパナマズなどもいる。

生態[編集]

日本や中国東部、朝鮮半島台湾に分布する。日本国内では、近畿以西の本州四国九州で見られる。

夜行性であるといわれ、夜間に魚類や甲殻類、カエルを食べる。

5月中旬~7月上旬の降雨後の夜に水路や水田に入り、藻や水草などに産卵する。卵は球状である。

卵は8~10日後に孵化し、1年間で10~15㎝になる。

食用[編集]

「なまずの蒲焼」が岐阜県海津市羽島市郷土料理となっているが、臭みをとる必要があるため、食用としては全国的には活用度が低いといわれる[注 1]。とはいえ日本におけるナマズ類の本来の分布域は琵琶湖周辺であり、食用とするため日本各地に導入されたという歴史がある。そもそも「蒲焼」というのが霞ヶ浦に導入されたナマズの料理法であったため、普通に「喰って美味しい」淡水魚である。

文化[編集]

地震の前に異常行動を起こすことで、江戸時代には「ナマズが暴れて地震が起きる」と信じられてきた。茨城県鹿嶋市の鹿島神宮と千葉県香取市の香取神宮の要石(かなめいし)は、「鹿島・香取の要石は、地震を起こすナマズを抑えている」と言伝えられている。 禅画あるいは大津絵の題材に、「瓢鯰図」がある。

脚注[編集]

  1. 近畿大学が餌を工夫して臭みを抑えた蒲焼用の「近大ナマズ[1]」の養殖に成功したが、庶民への浸透度は低い。
出典