お菓子系
お菓子系(おかしけい)は、エロ本のジャンルのひとつ。女子中学生から女子高校生程度の若いモデルの制服(セーラー服が多い)・体操服・スクール水着を特色とする。露出は控えめで、多くの場合透けパンまで。ヌードは少ない。
『クリーム』『ホイップ』『ワッフル』『ラッキークレープ』『ジューシープレス』などのお菓子を連想させる雑誌タイトルが名称の由来[1]。
沿革[編集]
『少女アリス』(アリス出版、1979年6月 - 1981年6月)の編集長を務めたことのある川本耕次によると、同誌編集部に寄せられた読者のご意見に「あまり脱がさないでくれ」というものがあったという。少女(実際には18歳以上)のヌードを売りにする雑誌にそのような要望があるのは妙な話だが、川本の著書には「そのような要望にピンと来たのも確か」という趣旨の記述がある[2]。
1980年代には、後にブルセラと呼ばれるジャンルを扱うエロ本が各種発行された。
- 『台風クラブ』(東京三世社、1989年? - 1992年?)
- 『セーラーメイトDX』(東京三世社、1991年? - 1996年?)
- 『クラスメイトジュニア』(コアマガジン、1987年 - 1995年)
- 『クラスメイトDX』(少年出版社、1987年 - 1990年?)
- 『熱烈投稿』(コアマガジン、1985年 - ?)
- 『女子高生年鑑』(少年出版社、1988年 - 1995年?)(以上、出典:[3])
- 『すッぴん』(英知出版、1986年 - 2007年)
- 『Beppin-School』(英知出版、1990年 - 2008年)
- 『スーパー写真塾』(コアマガジン、1984年 - ?)(以上、出典:[4])
満を持して1992年、「雑誌に革命を起こす」と意気込んだ3人の編集者が『クリーム』(ワイレア出版)を創刊する。命名はロックバンドの「クリーム」から[5]。脱ぎっぷりは悪いが、脱がなくていいとなると前述のブルセラ誌のモデルよりも上質の美少女が比較的容易に集まった。同誌の性交成功を受け、
- 『ホイップ』(コアマガジン、2000年 - 2011年)
- 『ワッフル』(ぶんか社、1997年 - 2000年)
- 『ラッキークレープ』(バウハウス、1997年 - 1999年)
- 『ジューシープレス/juicy press』(KKベストセラーズ、1997年 - 1998年?)
などが創刊[3]。ピーク時にはお菓子系だけで少なくとも4誌が同時に発行されていた。BCLブームのピーク時、ラジオ雑誌が同時に4誌くらい発行されていたような気がする。それと比較し得るブームの盛り上がり?である。
1999年の児ポ法施行により、お菓子系も打撃を受ける。この分野の草分けにして最大手の『クリーム』も、一時は20歳以上のモデルのみを起用し、制服やスクール水着も自主規制した。その後は自主規制も解除、2005年頃にはジュニアアイドルの比重が大きくもなった。2017年頃から18歳以上のライブアイドルなどの写真も掲載するようになり、現在に至る。
出典[編集]
参考文献[編集]
- 高月靖 『ロリコン 日本の少女嗜好者たちとその世界』 バジリコ、2009年。ISBN 4-86238-151-0。
- 川本耕次 『ポルノ雑誌の昭和史』 筑摩書房〈ちくま新書〉、2011年。ISBN 4-480-06631-4。
- 安田理央、雨宮まみ 『エロの敵 ─今、アダルトメディアに起こりつつあること』 翔泳社、2006年。ISBN 4-7981-1108-2。
- 高田コウイチロー (2010年4月3日). “知る人ぞ知る、元お菓子系アイドル・岡部玲子が結婚!”. news.livedoor.com. 2014年11月26日確認。