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SJ AB
SJ AB(読み:エス・イー・アー・ベー)とはスウェーデンで鉄道事業を行う国有鉄道会社である。
概要[編集]
スウェーデンの全域で長距離列車、地域列車、夜行列車の一部(ユーロナイト)を運行している。SJグループの鉄道事業は親会社のSJとSJヨータランドストーグとSJノルゲで運行している。夜行列車のほとんどは親会社のSJが行う。SJイェーテランドストーグはスウェーデン西部で地域列車などを運行している。
SJとはsvenskt järnvägsföretagの略でこれはスウェーデンの鉄道を意味する。
歴史[編集]
SJ以前の歴史[編集]
SJ ABのルーツはかつてのスウェーデン国有鉄道の管理下にある。これは1856年12月に営業を開始した。その当時開業した路線は南部本線のマルメ-ルンド間と西部本線のヨーテボリ-ヨンセレッド間が開業した。国有鉄道はその後成長し、スウェーデンの多くの主要路線がスウェーデン国鉄によって管理されるようになった。しかし中小規模の路線は依然として民間の私鉄が管理していた。
スウェーデン国鉄の最初の発展は2回あって、1回目は19世紀後半で主要幹線が建設されスウェーデン全体の鉄道インフラの基盤を形成した。
2回目は1940年頃で鉄道の国有化によってさらに多くの路線が建設された。この主な理由として自家用車の増加によって、多くの私鉄会社が採算が合わなくなり廃止されるのを防ぐためである。この国有化の際に車両の近代化を行うことができ、これは鉄道の安価な運行に貢献した。その後1950年代にスウェーデン国鉄は最大規模になった。このころスウェーデン国鉄の従業員数は50000人に達し、スウェーデン最大規模の雇用主となっていた。しかし小規模な鉄道を廃止から守るために国がとった措置は長期的な持続は不可能で、1960年初頭までに全鉄道のほぼ半分が廃止された。
1960年代に自動車交通は急速な発展を遂げたが、スウェーデン国鉄の旅客輸送の発展は非常に遅く、財政難に陥った。1963年にリクスダーグで「各交通は財政的に自活しなければならない」と決定され、その結果、多くの駅が廃止され、鉄道に代わってバスが運行されるようになった。バス路線の多くはスウェーデン国鉄によって運行されスウェーデン国鉄は鉄道会社のはずなのに一瞬で国内最大のバス会社となった。これは皮肉なのか。駅廃止の一例として、ストックホルム-マルメ間の南部本線は1958年には90駅あったのが20年後には20駅にまで減少した。
1980年代初頭に地方運輸改革が実施され、地方を走るローカル線の責任が地方自治体に任された。これは国鉄などに料金を支払って列車を運行さいなければならなかった。これは黒字化させるための必要条件だった。
1980年代、新しい環境思想とガソリン価格の高騰に伴い、鉄道への関心が高まった。1986年にスウェーデン国鉄はX2系という長距離用列車を発注した。
1980年代半ばまで、スウェーデンの鉄道網は貧弱な状態にあり、1988年に新しい政府機関Banverketを設立。そしてスウェーデン国鉄は2001年に法人化して分割されSJ AB、Green Cargo(貨物輸送),Jernhusen(不動産)を含む多くの国有企業に分割された。
SJの歴史[編集]
2001年にSJ ABが始まって以来、鉄道輸送量は道路輸送量と同様に伸びていった。鉄道輸送の増加を促したのは、新線建設に対する政府の大規模な投資である。
投資の割合が増えた理由は気候変動の脅威である。道路交通は大量の排気ガス(二酸化炭素など)を排出するが、スウェーデンは主に原子力発電と水力発電に電力をまかなっているため、鉄道は間接的にも二酸化炭素を排出しない。そのため多くの人々が鉄道を利用するようになった。
SJ ABはまた小規模なローカル線の多くを他の運行会社などに譲渡した。
2009年までは長距離路線を独占していたため、中小企業はSJ ABと競争することができなかった。
2009年以降、スウェーデンの路線の独占は緩和され、理論上すべての鉄道会社がスウェーデンで鉄道サービスを行うことができるようになった。このこともあり路線の運行はお隣の国鉄のデンマーク国鉄がスウェーデン国内で力をつけてきており、さらにフィンランドのVRグループまでもが主要路線の長距離輸送を落札している。乗っ取り。ちなみに日本のJRもやろうと思えばできる。
運行[編集]
SJ ABはインターシティ(SJ Intercity)、地域列車( SJ Regional)、ユーロナイト(SJ Euronight)、夜行列車(SJ Nattåg納豆グ)などを運行している。
また、ハンブルク、コペンハーゲン、オーデンセ、ベルリン、オスロなどに向かう国際列車も運行される。
車両[編集]
機関車[編集]
電車[編集]
- X2系
- X40系(2階建て車両。地域列車向け)
- X55系
- ボンバルディア・ゼフィロ
- CAF Civity