高須賀義博

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高須賀 義博(たかすか よしひろ、1932年3月4日 - 1991年11月9日)は、日本のマルクス経済学者。一橋大学経済研究所教授。

愛媛県生まれ[1]、旧朝鮮出身[2]。1955年、一橋大学経済学部卒業。同大学大学院理論経済学修了[1]。1966年、『現代価格体系論序説』で一橋大学経済学博士[3]。1972年、『現代日本の物価問題』でエコノミスト賞受賞[4]。一橋大学経済研究所教授在任中の1991年に急性心不全で死去[5]。享年59。

マルクス経済学界の第一人者[6]。著書『マルクス経済学の解体と再生』では欧米の「マルクス・ルネッサンス」を展望しつつ日本のマルクス経済学の在り方を模索した。影響を受けた稲葉振一郎松尾匡吉原直毅は『マルクスの使いみち』という本を出している。遺著は経済原論『鉄と小麦の資本主義』。

著書[編集]

単著[編集]

  • 『現代価格体系論序説』 岩波書店、1965年
  • 『再生産表式分析』 新評論、1968年
  • 『現代日本の物価問題』 新評論、1972年、改訂新版1975年
  • 『マルクス経済学研究』 新評論、1979年
  • 『現代のインフレーション――構造論的接近』 新評論、1981年
  • 『現代資本主義とインフレーション』 岩波書店、1981年
  • 『マルクスの競争・恐慌観』 岩波書店、1985年
  • 『マルクス経済学の解体と再生』 御茶の水書房、1985年、増補版1989年
  • 『鉄と小麦の資本主義――下降の経済学』 世界書院、1991年

編著[編集]

  • 『独占資本主義論の展望』 東洋経済新報社、1978年
  • 『シンポジウム『資本論』成立史〔佐藤金三郎氏を囲んで〕』 佐藤金三郎著、新評論、1989年

訳書[編集]

  • 『成長の経済学』 ポール・バラン著、浅野栄一共訳、東洋経済新報社、1960年
  • 『革新の政治経済学――マルクス主義・人間主義的観点からみた資本主義と社会主義』 ハワード・シャーマン著、宮崎犀一共訳、新評論、1974年、新装版1976年
  • 『マルクスの経済学――価値と成長の二重の理論』 森嶋通夫著、東洋経済新報社、1974年
  • 『価値・搾取・成長――現代の経済理論からみたマルクス』 森嶋通夫、カテフォレス著、池尾和人共訳、創文社、1980年
  • 『貨幣と抽象的労働』 監訳、ウルリッヒ・クラウゼ著、三和書房、1985年
  • 『「政治経済学」とマルクス主義――対立する資本主義観』 監訳、G・ドゥルプラス著、岩波書店、1988年
  • 『森嶋通夫著作集7 マルクスの経済学』 森嶋通夫著、岩波書店、2004年
  • 『森嶋通夫著作集8 価値・搾取・成長』 森嶋通夫、G・カテフォレス著、岩波書店、2004年

脚注[編集]

  1. a b 平凡社教育産業センター編『現代人名情報事典』平凡社、1987年、570頁
  2. コトバンク > 20世紀日本人名事典 > 高須賀 義博とは
  3. CiNii 論文 - 博士論文要旨および審査要旨(高須賀義博・伊東政吉)
  4. エコノミスト賞 歴代受賞者 - 週刊エコノミスト
  5. 日外アソシエーツ編『現代物故者事典 1991~1993』日外アソシエーツ、1994年、345頁
  6. 「マルクス主義倒れマル経学者どこへ(リポート・教育)」『週刊アエラ』1990年12月4日号

参考文献[編集]

  • 紀田順一郎ほか編『現代日本執筆者大事典77/82 第3巻(す~は)』日外アソシエーツ、1984年
  • 佃實夫ほか編『現代日本執筆者大事典 第3巻 (人名 す~は)』日外アソシエーツ、1978年