高橋景一
高橋 景一(たかはし けいいち、1931年5月31日 - 2022年10月20日[1])は、生物学者。東京大学名誉教授。専門は細胞生物学・動物生理学[1]。
経歴[編集]
東京生まれ[2]。1953年東京大学理学部生物学科動物学課程卒業[3]。動物学専門課程の博士課程に進学[1]、木下治雄の下で単一筋繊維を研究[3]。1956年東京大学理学部動物学教室助手[1][3]。1960年「ムラサキガイの前足系牽引筋における收縮および弛緩の神経支配機構に関する研究」で理学博士(東京大学)。1960~1962年ロンドン大学特別研究員[3](文部省在外研究員)[2]。1968年東京大学理学部助教授、1973年教授[3]。木下治雄の後任として動物学教室第一講座(動物生理学)を担当[1][4]。指導学生に真行寺千佳子[3]、大岩和弘などがいる[5]。1988年理学部附属臨海実験所長(併任)[3]。1992年定年退官、名誉教授。2001年まで国際基督教大学教授[1]。2002年「鞭毛・繊毛運動の制御機構に関する研究」で動物学会賞を真行寺千佳子と共同受賞[6]。
日本学術会議第15期会員[3]、日本比較生理生化学会第4代会長(1989~1993年)[7]、日本宇宙生物科学会副会長(1987~1992年)[8]、日本生物教育学会副会長なども務めた[3]。
人物[編集]
毛利秀雄や神谷律などとともに鞭毛・繊毛研究の世界的なパイオニアである[9]。真行寺千佳子は高橋の研究を「1.細胞運動(鞭毛・繊毛運動の機構,繊毛運動の制御機構,微小管滑り運動の機構),2.筋収縮(平滑筋の収縮機構,平滑筋収縮の制御機構),3.棘皮動物生理学(棘皮動物神経生理学,結合組織性緊張の機構,多孔体の機構),4.宇宙・重力生物学(原生生物の重力刺激受容機構)」の大きく4つの分野に分けている[3]。
大日本図書の高校生物の教科書の執筆者。
息子は映画評論家・アートディレクターの高橋ヨシキ。
著書[編集]
共著[編集]
編著[編集]
訳書[編集]
- モーリス・バートン『動物の第六感』(文化放送開発センター出版部、1975年/法政大学出版局[教養選書]、1990年/法政大学出版局[教養選書]、2006年)
- フィリップ・ストリート『動物のパートナーたち――共生と寄生の物語』(村上彰、長橋捷共訳、文化放送、1977年/法政大学出版局[教養選書]、1990年)
- R. ロビン・ベイカー『人間の方向感 ――磁気を感じる脳』(菅原隆共訳、紀伊國屋書店、1981年)
出典[編集]
- ↑ a b c d e f 上村慎治「髙橋景一先生のご逝去を悼む」『東京大学理学系研究科・理学部ニュース』第54巻第4号、2022年11月
- ↑ a b 動物の第六感 紀伊國屋書店
- ↑ a b c d e f g h i j 真行寺千佳子「高橋景一先生のこと」『東京大学理学部弘報』第23巻第4号、2022年11月、1992年3月
- ↑ ご挨拶 東京大学大学院理学系研究科生物科学専攻脳機能学分野榎本研究室
- ↑ 【研究者の肖像Vol14】常にアンテナを張っておこう。人と会い、話し、手を携える――。門戸を開けば、研究者人生は豊かなものになると思う 大岩 和弘 Technologist’s magazine、2018年6月28日
- ↑ 動物学会賞・動物学会奨励賞 受賞者一覧 公益社団法人日本動物学会
- ↑ 学会の沿革 日本比較生理生化学会
- ↑ 学会沿革(PDF)一般社団法人日本宇宙生物科学会
- ↑ 西野敦雄「書評■太古からの9+2構造 繊毛のふしぎ 神谷 律 著」公益社団法人日本動物学会