雷韻出版
雷韻出版(らいいんしゅっぱん)は、国家社会主義日本労働者党代表の山田一成が社長を務めているとされる出版社[1][2][3][4]。
共産党批判[編集]
2000年6月の総選挙の際、同年5月に雷韻出版から刊行された『誰も知らない日本共産党のホンネ』の広告の体裁をとった共産党批判ビラが大量に配布されたが、2000年6月21日付のしんぶん赤旗は、自民党本部が「この本を大量に買い取り、選挙に活用するよう同党広報本部長名で、都道府県連合会や衆院選挙事務所、参院選挙区比例区事務所に通知してい」たこと[2]、雷韻出版の社長がネオナチ団体「国家社会主義日本労働者党」代表の山田一成であることを暴露した[1]。
2000年6月21日付の日刊ゲンダイは、関係者の話として、「今年2月、この出版社にある大手紙の元記者が“自費出版したい”と原稿を持ちこんできた。さらに国会解散の直前にナゾの男が、“5万部買い取るから、本の宣伝のチラシを選挙用に使わせてほしい”と申し入れてきた。出版社側が“(自民党の)野中(幹事長)さんの関係か”と尋ねると“それに近いと思ってもらって間遠いない”と答えたそうです」と報じた[5]。
2014年に自民党の高市早苗総務相と稲田朋美政調会長が山田一成とツーショット写真を撮っていたことが海外メディアで報じられた際、同年9月12日付の日刊ゲンダイは、民族運動関係者の話として、山田は「82年に国家社会主義日本労働者党を創設し、『雷韻出版』という出版社も設立」したと報じた[6]。
オウム真理教との関係[編集]
作家の宮崎学とオウム真理教幹部の上祐史浩の対談本を出版している[5][7]。2000年6月21日付の日刊ゲンダイは、宮崎学の話として、上祐がインタビューに応じる条件として雷韻出版を指定したこと、横浜の本部で会見した際に同社の社長が同席していたことを報じている[5]。2014年9月12日付の日刊ゲンダイは、雷韻出版社長の山田一成がホームページでオウム真理教を絶賛していることを報じている[7]。
1998年に『サイバースペースからの挑戦状』を雷韻出版から出版した河上イチローは元オウム真理教信者[8]。2019年に河上は「内容はサイバースペースの自治や自由についての本なんですが、版元の雷韻出版は社長がゴリゴリの国家社会主義者で、思想的には真逆だった(笑)。多分、私のサイト名が「デア・アングリフ」だったので勘違いしてたんだと思います」と語っている[8]。
所在地[編集]
2000年時点では東京都目黒区に本社があった[1][2][5]。
国税庁法人番号公表サイトによれば、「株式会社雷韻出版」の「本店又は主たる事務所の所在地」は東京都品川区となっている(最終更新年月日:平成27年10月28日)[9]。
出版した書籍[編集]
国立国会図書館サーチによると、1998年から2005年に45冊の書籍を発行した。また瀬戸弘幸『ソースネクストの重大疑惑――パソコンソフトウエア販売会社 業務上横領、詐欺、有印私文書偽造、特別背任…驚愕の手口を全公開!!』(日刊中央通信社、2004年12月)の発売元になった。
- 伊藤美咲『アロマテラピーはこんなに簡単』(1998年10月)
- 中島渉『ハルマゲドン黒書――完全保存版』(1998年12月)
- 河上イチロー『サイバースペースからの挑戦状』(1998年12月)
- ジョン・コールマン著、島講一訳『三百人委員会――陰謀家たちの権力構造 新世界秩序は人類奴隷化計画だった』(1999年1月)
- 飛鳥昭雄『失われたアークは伊勢神宮にあった』(1999年3月)
- 飛鳥昭雄『ノストラダムス恐怖のファイナルメッセージ――コミック』(1999年5月)
- 河上イチロー『サイバースペースからの攻撃』(1999年5月)
- 太田龍『猶太国際秘密力』(1999年7月)
- 竹下義朗『検定不合格教科書になれなかった史実――学校教育では決して教わることのない歴史、お教えします』(1999年7月)
- 中岡俊哉『本当にあった生まれ変わりの話』(1999年9月)
- 飛鳥昭雄『UFOミステリー恐るべきプラズナーの全貌』(1999年9月)
- 太田龍『血塗られた英国王室――ダイアナ暗殺とユダヤの罠』(1999年11月)
- 飛鳥昭雄『ロマン・サイエンスの世界』(2000年1月)
- ジョン・コールマン博士著、太田龍訳『欺瞞の外交――続・300人委員会』(2000年3月)
- 宮崎学、上祐史浩『オウム解体――宮崎学VS上祐史浩』(2000年5月)
- 大岩悠吾『誰も知らない日本共産党のホンネ――ソフト路線の仮面を剥ぐ』(2000年5月)
- ジョン・コールマン著、太田龍監訳『ワンワールド――人類家畜化計画』(2000年6月)
- 丸山晴美『ゼロからの節約生活』(2000年8月)
- 鈴木啓之『愛されて、許されて』(2000年10月)
- 山平重樹『不退の軍治――藤田卯一郎の生涯』(2000年11月)
- 竹下義朗『検定不合格教科書になれなかった史実――学校教育では決して教わることのない歴史、お教えします 2』(2000年11月)
- 中岡俊哉『超ショック!世界のミステリー』(2000年12月)
- 飛鳥昭雄『New UFO2&恐怖の21世紀計画』(2001年2月)
- 木村三浩『右翼はおわってねぇぞ!――新民族派宣言』(2001年4月)
- 赤間剛『ユダヤ・フリーメーソン最終黙示録』(2001年6月)
- 内藤久『週刊猟奇殺人事件』(2001年6月)
- 大橋正樹『夜逃げ屋(秘)事件簿――後始末よろしく』(2001年7月)
- 見沢知廉『極悪シリーズ』(2001年7月)
- ペマ・ギャルポ『立ち上がれ日本!――目醒めよ、麗しの国』(2001年8月)
- リンダ・ローズ著、矢澤フレイ伸恵訳『あなたの人生を変える催眠療法――リンダ・ローズ博士の「潜在意識」活用マニュアル』(2001年10月)
- ジャニス・R.レヴィーン、ハワード・J.マークマン編、安倍美和子、杉美春訳『熱しやすい恋、冷めにくい愛。――恋愛心理のエキスパート37人が語る、恋愛の真実』(2001年12月)
- 鈴木宗男研究会編『恫喝――鈴木宗男という生き方』(2002年3月)
- 坂本かずえ『ゼロからの貯金生活』(2002年9月)
- メアリー・ベネット、デヴィッド・S. パーシー著、五十嵐友子訳『アポロは月に行ったのか?――Dark Moon-月の告発者たち』(2002年10月)
- 久居つばき、くわ正人『村上春樹の読み方――キーワードの由来とその意味』(2003年2月)
- 嶋クリエイティブ・ユニオン『父へ。母へ。――両親へ本音で綴った86通の人生物語』(2003年3月)
- マルチン・ルター、I.B.プラナイティス著、歴史修正研究所監訳『ユダヤ人と彼らの嘘 仮面を剥がされたタルムード』(2003年6月)
- 山瀬和彦『1人でできる自己破産――弁護士に頼まず、24,900円で借金帳消し!』(2003年8月)
- 太田龍『中国食人史――チャイニーズ・カニバリズム』(2003年9月)
- 太田龍『ネオコンの正体――世界人間牧場の完成へのネオコンの隠された目標』(2004年3月)
- 太田龍『痲薬――悪魔のくすり』(2004年6月)
- マッド・アマノ『リコール!小泉鈍一郎――あの米国を想いこの属国を創る』(2004年8月)
- 平野宗彰『巷の達人』(2004年11月)
- 竹下義朗『汝の敵、中国を知れ――知られざる反日国家の顔』(2005年7月)
- 野田敬生『東京三菱銀行消えた「156億円」預金』(2005年10月)
出典[編集]
- ↑ a b c 「自民党が活用指示した謀略本 出版社社長は右翼団体の代表 ナチスの旗を掲げ行動」『しんぶん赤旗』2000年6月21日付
- ↑ a b c 高市総務相・稲田自民党政調会長がネオナチ代表と写真/海外報道相次ぐ しんぶん赤旗(2014年9月11日)
- ↑ エンジョウトオル「(3ページ目)「説得できない有権者は抹殺」高市早苗推薦、自民党のヒトラー本が怖すぎる」LITERA/リテラ(2014年9月13日)
- ↑ 野間易通「(4ページ目)高市早苗はいかにして“ネオナチ”と出会ったか──「行動する保守」の源流」LITERA/リテラ(2014年12月12日)
- ↑ a b c d 「「共産党批判」本の魑魅魍魎 全国で3000万枚もの広告ビラを配布 「自民党・野中筋」「オウム」「ナチス礼賛の超右翼」」『日刊ゲンダイ』2000年6月21日付
- ↑ 高市、稲田両氏と2ショット 極右活動家とオウムの繋がり 日刊ゲンダイDIGITAL(2014年9月12日)
- ↑ a b (2ページ目)高市、稲田両氏と2ショット 極右活動家とオウムの繋がり 日刊ゲンダイDIGITAL(2014年9月12日)
- ↑ a b #08 サイバースペースからの挑戦状、その後 ──あの「1995」から四半世紀を経て・ 後編|GUEST|松永英明 HAGAZINE(2019年12月16日)
- ↑ 株式会社雷韻出版の情報 国税庁法人番号公表サイト