関数電卓

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関数電卓(かんすうでんたく)とは、初等関数およびその逆関数の計算を行える電子式卓上計算機

概要[編集]

掛け算の数倍程度の手間で行う電子式卓上計算機(現在ではスマートフォンと同程度のサイズで、より軽い。ただし事務用の電卓はディスプレイとキーボードが大きくないと使い勝手が悪いため、より大型である)をいう。

実際に中で何をやっているかというと、四則演算以外は座標変換(一次変換)と表引きである。これ以外には自然定数 e と円周率πを持っていることが多い。
「ディジタルコンピュータによる座標の回転」(Cordinate Rotasion with DIdital Computer。略語はCORDIC)によって、9.999999999×1099までの範囲で初等関数(三角関数・指数函数・対数函数・双曲線関数)およびその逆関数を求めるものであるが、arctan(θ)の表引きを使っている。69!を計算すると三角函数よりも遅いという奇妙なことが起きるが、これは「69 までのテーブルを持っていない」だけの話である。まぁ、遅くても誰も気にしないが。
入力するデータが多くなってくるとディスプレイが狭いので面倒臭い部分が多くなるので、その場合はデスクトップパソコンでそれなりのアプリケーションを使ったほうがいい。
関数電卓のメモリ容量は総じて小さく、電源はソーラーセルなので電源も大したことはないので揮発性メモリが使われている。したがって擬似乱数生成のロジックがどうなっていて、どの程度の質が保証されているかは気にかかる。
なお、関数電卓は内部的には数値表現として二進化十進数を用いていることと表引きを行なっているために、桁数を増やそうと思うと面倒臭いことになる。対してパソコンはIEEEの規格に沿ったデータ表現を行なっているので桁数が増やせない。BIGDECIMAL を用いた数値演算パッケージが欲しいところであるが、N-BASIC 以外に実装例を知らない。

歴史[編集]

いわゆる「電卓」の祖(機械式で、歯車を用いたもの)はブレイズ・パスカルの「パスカリーヌ」であろうが、電卓の起源はチャールズ・バベッジの「階差機関」に求めてもよいだろう。ただし、人力でデータフロー型の計算を行なった例は古代バビロニアにもあり、アメリカの原子爆弾開発プロジェクトでも手回し式の計算機を使って放射性物質の臨界量を計算するチームを編成したとリチャード・ファインマンの自伝にある。

参考文献[編集]

  • 一松信『初等関数の数値計算』

関連項目[編集]

その他[編集]

脚注[編集]