車格

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車格(しゃかく)とは自動車の分類の一つであり、自動車のサイズや価格帯、ターゲット層やその自動車の持つキャラクター、性能などを総合的に見てクラス分けしたものである。欧州ではセグメントと呼ばれており、こちらは主にボディサイズなどを基準として分類されることが多い。

概要[編集]

単純に見れば名前の通り「自動車の格」である。一般に高級車ほど車格が高く、廉価な車ほど車格が低いといわれているが、一部車種においては例外となるケースもあり、絶対的な定義はないといわれている。

ある自動車を比較する際、排気量もボディサイズも、価格帯も考慮せずに単純に比較することは難しいものである。例えばスズキ・アルトトヨタ・クラウンを比較し、「クラウンに比べてアルトは内装が安っぽく、エンジンパワーも足りない」、などと評価してもそこから得られる情報は非常に少ないものである。それは一般に高級車に分類されるクラウンと軽自動車であるアルトの車格が異なり、そこに大きな差が生まれるのは比較するまでもないことだからである。そのため、車のボディサイズや使用目的、性能や価格帯などを考慮し、似た性格の車を便宜上同じカテゴリに入れて比較しやすいようにしたものが「車格」であるといえる。この場合、クラウンと同等の車格を持つ日産・シーマホンダ・レジェンドなどと比較する場合、各メーカーの高級セダンという似た属性を持つ自動車同士を比較することになり、比較するうえで得られる情報の精度が格段に向上するものである。なお、軽自動車でもコンパクトカー並みの走行性能を持つ、というようにより上位の車格の車と比較してより良い性能を持っているというアピールに使用されることもある。その一方で下の車格並みの内装である、などと酷評されることもある。

車格は明確な定義がないふんわりしたものであるにもかかわらず、何かと生活上で使われることの多い分類でもある。その代表的なものに「上司よりも車格の良い車に乗らない」である。自動車通勤が許されている会社においてその風習は色濃く残っており、社長がクラウンに乗っていれば部下がレクサスに乗ることは許されない、というようなものである。また、一度上げた車格を下げると「あの人は景気が悪くなった」と陰口を言われることもある。冗談みたいな話であるが、車社会の地方ではよく聞かれる話である。

なお、日本の行政から見た分類については税収の面から重量や排気量できっちりと分類されており、排気量ごと、自動車の重量ごとにそれぞれ課税されるようになっている。

セグメント[編集]

定義がふんわりとしている車格に対し、自動車の全長というある程度しっかりした基準で分類したものが「セグメント」である。なお、セグメントも分類する企業によって基準が変わっていることがあり、全長を基準とした分類は欧州のマーケティングシステムズ社による分類である。また、日本にも進出しているグローバルインサイト社においては車種を総合的な観点から分類するという車格的な分類をしているものである。

一般的にはグローバルインサイトにおける名称である「〇セグメント」が用いられることが多い(〇にはA~Eのクラスが入る)また、欧州委員会においてはさらに4つを加えた分類にされることもある。

一般にAセグメントが最も小さく、Eセグメントが最も大きく高級という序列になっており、加えてそこにFセグメント(最高級)が使われることが多い。かつては単純にボディサイズや排気量などで分類されていたが、近年の世界的なボディサイズの拡大、ダウンサイジングターボによるエンジンの小排気量化などにより、かつてのような単純な分類とはいかなくなっている現状がある。また、日本においては欧州の自動車を元に分類された基準であって日本車にはふさわしくないという意見や自動車評論家が誤用をしていると指摘する声もあり[1]、自動車好きの間でしか通用しないこと多いのがセグメントという概念である。

脚注[編集]