スズキ・アルト

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アルトとはスズキが生産している軽自動車である。1979年の登場以来40年以上にわたって生産されている息の長い軽自動車であり、同社を代表する軽自動車の一つでもある。

概要[編集]

1970年代当時、税制で有利になる軽貨物車[注 1]として1979年に登場したのが初代アルトである。初代アルトはフロンテと基本構造が同じであるが3ドアハッチバックであり、貨物車としての荷室を確保するため著しく後席の乗り心地は悪くなっていたものの、開発費の削減や2stエンジンの採用などコストダウンを刊行した結果47万円(当時)という圧倒的低価格を実現した。

その結果、初代アルトはその低価格さと実用性から大ヒットとなり、他車も追随して同様の自動車をリリースするなど軽ボンネットバンというジャンルを確立するきっかけとなった車である。なお、この動きを国税庁が見逃すはずはなく、売れ筋と分かったらシュバってきて4人乗りの軽ライトバンに5.5%の物品税を課税するようにした。が、メーカー側は逆手にとって完全2人乗りの軽ボンネットバンを出すこともあった[注 2]

1984年に発売された2代目においては初めてアルトワークスが設定。当初は78馬力の予定であったが、今度は運輸省に目を付けられしぶしぶ64馬力にデチューンしたうえで形式認定を受ける。軽自動車における64馬力上限の由来である。

1988年に販売された3代目はフルゴネットスタイルのアルトハッスルが設定される。アルトワークスも強化され、1992年のワークスRはクロスレシオミッションに専用タービンとECUの設定、軽量化のために簡素化された内装と後部座席など、完全にチューニングベース、ラリーカーベースとしての用途を前提としたものであった。

1993年には同社のスズキ・ワゴンRが大ヒット。またもや軽トールワゴンという新しいジャンルを作り上げ、軽自動車の主流がそちらに移ることになってしまう。翌年に発売された4代目のアルトは先代のようにバリエーションが多くなく、通常の3ドア・5ドアハッチバックとホットモデルのワークスだけである。

1998年に発売された5代目アルトは安全装備の充実や内装の質感向上など、正常進化を遂げたモデルである。2000年にはアルトワークスが廃止になるものの。すべてのエンジンをDOHC化するなど基本性能が底上げされた。また、この代からマツダへOEMモデルとして供給が始まっており、マツダにおいてはマツダ・キャロルとして販売されている。

2014年に発売された8代目アルトはターボRSというモデルが設定され、14年ぶりにターボ搭載モデルが復活となった。また、同年にはアルトワークスも設定され、往年のホットハッチモデルが復活することになった(ターボRSは2018年に消滅)。なお、2021年に発売された9代目アルトで再びワークスが消滅することになる。

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. 当時は消費税こそなかったものの、似たような物品税が存在しており、軽乗用車は15.5%、軽貨物車は非課税であった
  2. 業務車両として普及していた軽トラックにも影響を与えかねないため、さすがにここまで課税するほど愚かではなかったらしい