西村晶絵
西村 晶絵(にしむら あきえ)は、日本の文学者(フランス文学)。学位は博士(学術)(東京大学・2020年)。静岡県立大学国際関係学部講師・大学院国際関係学研究科講師。
独立行政法人日本学術振興会特別研究員、大谷大学真宗総合研究所東京分室博士研究員、盛岡大学文学部助教などを歴任した。
概要[編集]
フランス文学を専攻する文学研究者である[1]。アンドレ・ジッドの文学作品の研究や[2]、フランス人作家と宗教思想の連関の研究などを手掛けた[2]。日本学術振興会の特別研究員を経て[3]、大谷大学で研究に従事し[3]、盛岡大学[3]、静岡県立大学などで教鞭を執った[3]。
来歴[編集]
生い立ち[編集]
慶應義塾が設置・運営する慶應義塾大学に進学し[4]、文学部の人文社会学科にて仏文学専攻に在籍した[5]。2009年(平成21年)3月、慶應義塾大学を卒業し[4]、学士(文学)の学位を取得した[† 1]。さらに、同名の国立大学法人により設置・運営される東京大学の大学院に進学し[4]、総合文化研究科の地域文化研究専攻にて学んだ[4]。2011年(平成23年)3月、東京大学の大学院における修士課程を修了し[4]、修士(学術)の学位を取得した[5]。
フランス共和国に渡り、パリ第七大学の大学院に進学し[4][† 2]、文学芸術映画研究科にて学んだ[4]。2013年(平成25年)9月に修士課程を修了し[4]、Master 2 ès lettres, arts et pensée contemporaineの学位を取得した[5]。さらに、パリ第四大学の大学院に進学し[4][† 3]、フランス文学比較文学研究科にて学んだ[4]。2015年(平成27年)3月に博士課程を中途退学した[4]。
文学研究者として[編集]
大学院在籍時、文部科学省の所管する独立行政法人である日本学術振興会により、2014年4月に特別研究員に選任されていた[3]。また、パリ第四大学の大学院を中途退学して以降は、いくつかの教育・研究機関の役職を兼任していた。関東学院が設置・運営する関東学院大学においては、2016年(平成28年)4月より国際文化学部の講師を非常勤で兼任していた[3]。同様に、東京家政学院が設置・運営する東京家政学院大学においても、同年4月より現代生活学部の講師を非常勤で兼任していた[3]。同名の国立大学法人により設置・運営される電気通信大学においては、2018年(平成30年)4月より情報理工学域にて講師を非常勤で兼任していた[3]。同様に、同名の学校法人により設置・運営される相模女子大学においても、同年4月より学芸学部の講師を非常勤で兼任していた[3]。なお、並行して東京大学の大学院に進学しており[4]、総合文化研究科の地域文化研究専攻にて再び学んでいた[4]。2018年(平成30年)3月に博士課程を単位取得満期退学しているが[4]、「アンドレ・ジッドとキリスト教――『病』と『悪魔』にみる『悪』の思想的展開」[7]により2020年(令和2年)12月24日に博士(学術)の学位を取得している[7][8]。
その後、真宗大谷学園が設置・運営する大谷大学に採用され[3]、2019年(平成31年)4月に真宗総合研究所の博士研究員として着任した[3]。真宗総合研究所では東京分室に所属していた[3]。
のちに、同名の学校法人により設置・運営される盛岡大学に転じ[3]、2020年(令和2年)4月に文学部の助教として着任する[3]。文学部においては、主として社会文化学科の講義に携わった[3]。
さらに、県と同名の公立大学法人により設置・運営される静岡県立大学に転じ[3]、2023年(令和5年)4月より国際関係学部の常勤の講師として着任した[3]。国際関係学部においては、主として国際言語文化学科の講義を担当した[3][9]。また、大学院では国際関係学研究科の講師を兼務していた[9]。国際関係学研究科においては、主として比較文化専攻の講義を担当していた。
研究[編集]
専門は文学であり、特にフランス文学などの分野について研究していた。具体的にはアンドレ・ジッドの作品について研究していた[2]。また、フランス人作家について、その宗教思想との連関や[2]、そのジェンダーやセクシュアリティの問題を研究していた[2]。さらに、フランス共和国においての極右政治思想とキリスト教徒の作家との関係についても論じた[2]。常識や慣習などの判断基準は時代や地域によって異なる相対的なものだと指摘したうえで[10]、「他者の言動を『悪』だと糾弾する人々が拠り所とする価値観そのものを問い直すとき、『悪』をめぐる一般認識は覆され得るのではないだろうか」[10]との問題提起から『アンドレ・ジッドとキリスト教――〈病〉と〈悪魔〉にみる〈悪〉の思想的展開』を上梓した。同書により東京大学而立賞を受賞している[11][12]。
学術団体としては、日本フランス語フランス文学会などに所属していた[13]。
略歴[編集]
- 2009年 - 慶應義塾大学文学部卒業[4]。
- 2011年 - 東京大学大学院総合文化研究科修士課程修了[4]。
- 2013年 - パリ第七大学大学院文学芸術映画研究科修士課程修了[4]。
- 2014年 - 日本学術振興会特別研究員[3]。
- 2015年 - パリ第四大学大学院フランス文学比較文学研究科博士課程中途退学[4]。
- 2016年 - 関東学院大学国際文化学部講師[3]。
- 2016年 - 東京家政学院大学現代生活学部講師[3]。
- 2018年 - 東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得満期退学[4]。
- 2018年 - 電気通信大学情報理工学域講師[3]。
- 2018年 - 相模女子大学学芸学部講師[3]。
- 2019年 - 大谷大学真宗総合研究所東京分室博士研究員[3]。
- 2020年 - 盛岡大学文学部助教[3]。
- 2023年 - 静岡県立大学国際関係学部講師[3]。
- 2023年 - 静岡県立大学大学院国際関係学研究科講師。
賞歴[編集]
- 2021年 - 東京大学而立賞[12]。
著作[編集]
単著[編集]
- 西村晶絵著『アンドレ・ジッドとキリスト教――〈病〉と〈悪魔〉にみる〈悪〉の思想的展開』彩流社、2022年。ISBN 978-4-7791-2836-3
脚注[編集]
註釈[編集]
出典[編集]
- ↑ 「専門分野」『静岡県立大学教員データベース|静岡県公立大学法人 静岡県立大学』静岡県立大学。
- ↑ a b c d e f 「主要研究テーマ」『静岡県立大学教員データベース|静岡県公立大学法人 静岡県立大学』静岡県立大学。
- ↑ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z 「主な経歴」『静岡県立大学教員データベース|静岡県公立大学法人 静岡県立大学』静岡県立大学。
- ↑ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s 「学歴」『静岡県立大学教員データベース|静岡県公立大学法人 静岡県立大学』静岡県立大学。
- ↑ a b c 「西村晶絵」『西村 晶絵 (Akie NISHIMURA) - マイポータル - researchmap』科学技術振興機構、2023年4月6日。
- ↑ 慶應義塾大学学位規程第2条第1項第1号。
- ↑ a b 「書誌事項」『CiNii 博士論文 - アンドレ・ジッドとキリスト教 : 「病」と「悪魔」にみる「悪」の思想的展開』国立情報学研究所。
- ↑ 学位授与番号甲第37758号。
- ↑ a b 「教員情報詳細」『静岡県立大学教員データベース|静岡県公立大学法人 静岡県立大学』静岡県立大学。
- ↑ a b 西村晶絵「紹介文」『UTokyo BiblioPlaza - アンドレ・ジッドとキリスト教』東京大学本部広報課、2023年2月13日。
- ↑ 「刊行物の一覧」『学術成果刊行助成 | 東京大学』東京大学本部広報課。
- ↑ a b 「受賞歴」『静岡県立大学教員データベース|静岡県公立大学法人 静岡県立大学』静岡県立大学。
- ↑ 「所属学会」『静岡県立大学教員データベース|静岡県公立大学法人 静岡県立大学』静岡県立大学。