蟹工船
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蟹工船(かにこうせん)とは、船内にカニ缶詰を製造する設備がある船のことである。
概要[編集]
川崎船という付属の小型漁船を使って蟹を取り、茹でて缶詰に加工し、欧米に輸出されていた。
蟹工船と聞くと、よく昭和8年(1933年)に特別高等警察(特高警察)に虐殺された小林多喜二の小説を思い浮かべるが、蟹工船は本当に酷薄だったのか近年では疑問も持たれている。
近代蟹工船の先駆者で小林と同時代を生きた愛媛県今治市の実業家である八木亀三郎(昭和13年(1938年没)らの製造日誌やその他の資料によると、首相の原敬や高橋是清らから送られた礼状をはじめ、蟹工船の船長や船員からの礼状や手紙のほか、樺太の小学校建設や赤十字などに寄付をしたことを示す多数の感謝状などが見つかっていて、また「歩合、賞典金」もあって受け取った3000円の領収証も発見されていることから、従来言われているような酷薄なイメージとは大きく異なる一面がある。
小林多喜二の小説[編集]
小林多喜二の蟹工船は過酷な蟹工船の労働条件の船で働く労働者が団結して立ち上がるまでを描いたプロレタリア文学の代表作であり、昭和4年(1929年)に小林は別の船で起きた事件をヒントにして蟹工船を描いたという。
ただ、小林が描いている蟹工船職場の環境は前述のように過酷だったは疑問とされる。