薬剤耐性菌
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薬剤耐性菌(やくざいたいせいきん)とは、遺伝子に突然変異が起き、感染症の治療に使用される抗生物質への耐性を獲得した細菌のことである。
概要[編集]
抗生物質の登場で感染症への感染が大幅に減ったが、細菌の中で突然変異が起き、抗生物質への耐性を獲得した細菌が増殖していくことにより抗生物質が効かなくなってしまう。病院で起きるほか、抗生物質を大量に投与した餌で養殖、あるいは飼育した魚介類や家畜を食用としたり、海洋や下水に流れ込むことによって自然界に薬剤耐性菌が放出される場合がある。
多剤耐性菌[編集]
複数の薬が効かない多剤耐性菌も報告されている。メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)やカルバペネム耐性腸内細菌科細菌(CRE)などがある。
問題点[編集]
人間や動物への不適切な抗生物質の使用で発生しやすくなるとされ、対策を放置した場合には2050年に世界で年間1000万人が耐性菌によって死亡するとの予測もあり、世界保健機関(WHO)や日本を含む各国が協力して対策に乗り出している。
関連項目[編集]
参考文献[編集]
- 滋賀の食事文化研究会『ふなずしの謎』サンライズ出版2006年7月31日初版第9刷発行。
- E・ローゼンバーグ、I・R・コーエン『入門現代生物学』培風館2001年4月10日初版第15刷発行。
- 吉田邦久『チャート式要点と演習新制新生物ⅠB・Ⅱ』数研出版1997年3月1日発行。
外部リンク[編集]
- かしこく治して、明日につなぐ AMR対策 - 国立国際医療研究センター(厚生労働省委託事業)
- 本一、村山琮明、病原菌の薬剤耐性化と生命の進化 日本臨床微生物学会 (2013)