米料理
米料理(こめりょうり)とは、米(インディカ米とジャポニカ米にに分類される)を使った料理である。
ただし、「米の入った料理」ではなく、米が主役であったり主役と切離しがたい重要な脇役(準主役)を演じている料理をいう。「すし」などがそうで、カレーの場合は「カレーうどん」や「カレーシチュー」は米料理ではないが、カレーライスは米料理と断じてよい。カツ丼(煮カツ丼)や天丼は「丼物」で米料理といえるが、米と分れると「メシとおかず」の関係となって米料理ではなく「ごはんもの」的なナニカになる。
概要[編集]
「白飯」「麦飯」「粥」などをそれぞれ別の項目として立てると煩瑣に鬱陶しくなるので立てた。
「スパゲッティ」も「アラビアータ」のようにペンネを使うこともあり、Enpedia の項目としてはスパゲッティおよびパスタ料理の両者があるので手はださない。
ただし粽や団子やおはぎやきりたんぽなどは、個別に論じたほうがいいと考える。
- 炊く - 白飯・麦飯・炊き込みご飯など
- 蒸す - おこわ、赤飯など。酒米も蒸すのが一般的
- 茹でる - 粽のほか、「袋飯」がある
- 煮る - 粥(「炊く」ともいう)のほか、パエリア、リゾットなど
などがある。
人間生活との関わり・利用[編集]
暫定的に、「白飯」「粥」「おこわ」はここに含むものとする。別項を立てる場合はここ部分をごっそり内容を移していただきたい。別項において編集合戦になるのもみぐるしいので、古い記述はごっそり消してほしい。
まずうるち米を用いるか糯米を用いるかで区分があり、「炊く」(姫飯)か「煮る」(粥)か「蒸す」(強飯。「強飯式」とは別)かの違いがある。うるち米を焚いたものは白飯だが、糯米を加えるとおにぎりに向く。炊きこみご飯はうるち米と糯米をブレンドするといい。粥はうるち米が主体である。糯米をもっぱら使い、蒸すことが多い。赤飯や中華粽はこれである。日本では九州地方の「あくまき」があるが、これは「茹でる」である。このほかピラウやリゾットやパエリアは「煮る」系である。
炊く[編集]
「始めチョロチョロ中パッパ、じわじわどきに火を引いて、赤子泣くとも蓋取るな」として知られているが、最近ではガスレンジや電気炊飯器がやってくれるので、飯盒炊爨や禅寺の修行でもなければ使いどきがない。
一種のパフォーマンスとしては面白いのでお奨めはする。
それを踏まえていうと、「炊く」は
- 研ぐ(洗う)
- 浸水する
- いったん水を切る
- 炊飯用の水を入れる(水加減)
- 加熱・炊飯する
- 蒸らす
の六工程である。いわゆる「炊き込みご飯」の場合は、このプロセスをすべて経験できる。「松茸ご飯」が代表的だが、「なめこご飯」とか試していただければ一発でハマる。「具を入れない炊き込みご飯」はおにぎり用のごはんや寿司飯と同一のプロセスをへるので、省略する。
研ぎ[編集]
無洗米であれば省ける。八分搗きの場合は、掌底で上から押す感じで「ぞりっ」という感じで研ぐ。「テフロン加工の炊飯器の内釜でやると(内釜に)傷がつく」と不安になる人は、ステンレスや琺瑯のボウルや、昔は電気釜についてきたブラスチック製の米研ぎボウルを使うとよい。ただし前者は水を流すときに水と一緒に米が落ちるという難点がある。昔は笊で受けて雀の餌にしたものだが。
研ぎ汁は大根の下茹でなどに活用できる。
浸水[編集]
ニ十分以上が目安。もっとも電子炊飯器には「速炊き」機能もあるので、このプロセスは機械まかせでもいい。
水切り[編集]
弁慶笊にあけて水を切る。白飯であればこのプロセスは不要といえば不要だが、水だし昆布などを加えるときはやってもよい。具はここで下煮をしておき、こちらも汁と具を分けておく。松茸ご飯などでは重要。カナダ産の傘が大きく開いた安い奴のほうが香りが高くてよい。下煮は縦に指で割くなどして細かくしたものを使う。滑子は石突を取ってバラして煮るだけでいい。
水加減[編集]
具材を煮た汁を調整して水加減をする。量は重さ150g (体積で180cc)あたり150~180 cc の間で調整する。
炊く[編集]
ここからは経験値がものをいう。炊きあがった頃合いを見計らって具材を入れて大雑把に混ぜてから蒸らしに入るからである。このタイミングを身測うためには炊飯器よりもガスレンジの炊飯機能を利用するのがよい。炎の加減で火力の強さがわかるからである。そのタイミングを音や匂いや蒸気の量で捉える、という操作が面白くてずっと見ているという人は、紅茶を三回入れたら「紅茶の達人」になれる。「カフェ・ド・ランブルの薬缶」「HARIO のガラス製ポット」「ティーコジィと下に敷くやつ」があれば八人力である。そもそも「紅茶を美味く淹れられる」という人は十人に一人もいない。
蒸らす[編集]
具材を入れて大雑把に混ぜてから蒸らす。表面と中心部と壁面と底では焚け加減も異なっているので、それが」大雑把に混ざればよい。ここで三分から五分ほどごく弱火で追加熱するひともいる。充分に蒸らしおわってから、あらためで丁寧に混ぜる。肝心なのは杓子の使い方で、「切るように」である。寿司飯のときは熱いうちに寿司酢をうち、しばらく置いていてからダマにならないように丁寧に混ぜる。半殺しにするときにはそこまで丁寧でなくてよい。どうせ擂粉木で潰してしまうのだから。「おはぎ」「きりたんぽ」はこれ。
セロファン飯[編集]
「袋飯」ともいう。現代でも陸上自衛隊では知られているらしい。『セロファン袋に米と重量比 120 % の水を加え、空気をなるべく除いて「例の方法」で輪ゴムで留め、茹でる』ことで飯が炊けるというものである。具体的にはセロファンの袋と輪ゴムを使って茹でて作る。これは川島四郎の考案による、中国大陸の塹壕戦において、塹壕の中で湯を沸かし、茹でて作るための炊飯法である。「炊き」上がったたら、蒸らしてから前の塹壕に「投げる」。
防災用にセロファン袋と輪ゴムを用意しておくとよいかもしれない。「鶏はむ」にも使い回しができる。当時は無陶洗米を用いたが、昨今の米は搗き砂を使わないため、普通のコメを使えばいい。味は「研いでない」ことを気にしなければ同じである。