矢ノ川峠
ナビゲーションに移動
検索に移動
矢ノ川峠(やのことうげ)とは尾鷲市と熊野市の境界線上にある峠である。標高808m。
概要[編集]
尾鷲市と熊野市の交通は、山沿いの矢ノ川峠を通る街道が江戸時代から整備が始まり、明治時代にも大きく改良された。1936年10月に16か所の橋梁と5か所の隧道で開通した「昭和新道」は、1968年に長大トンネル3か所で繋ぐ現在の道路が開通するまで国道42号が通っていた。
一方、海沿いは国道311号すら21世紀に入るまで貫通しなかったくらい、平地に乏しいリアス式海岸で、危険を伴った。このため、海沿いの経路の紀勢本線は舟運も使って開通。自動車専用道路の熊野尾鷲道路も紀勢本線よりやや山寄りの経路を採用している。
国鉄バス[編集]
峠越えの尾鷲駅と紀伊木本駅の間は省営バス、後の国鉄バス紀南線が運行されていた。45kmを2時間45分で結び、1953年9月4日現在で4往復運行されていた。峠には自動車駅の矢ノ川峠駅が開設され、国鉄バスや国鉄トラックが停車していた。付近には茶店が営業していた。
1959年7月15日の紀勢本線全通で尾鷲への本線は廃止され、鉄道が通じない熊野市 - 大又大久保間に短縮されて国鉄末期まで残った。
現状[編集]
昭和新道の大部分は崩落などで自動車の通行が不可能となっている。