相撲部屋

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相撲部屋 (すもうべや)とは、大相撲に於いて、師匠が管理し、力士行司を住まわせる組織のことである。

概要[編集]

他のスポーツの「チーム」に該当する。部屋の雰囲気は師匠の個性が大きく影響する。
部屋には師匠[注 1]の他、部屋付きの親方がいて、師匠が協会の重職に就いている場合に部屋付き親方が指導の中心になることも多い。
部屋の数は増える一方だが、在籍する力士の数が減ったり、後継になり得る親方不在で存続の危機に陥る部屋もある。

力士の部屋の移籍は、大師匠(独立前の師匠)の承認の下、独立した部屋への移籍はできるが[注 2]、通常は部屋の閉鎖や師匠の死以外にはできず、師匠と仲違いした場合は、力士自体が引退するしかない。
なお、部屋付き親方は、部屋師匠の承認の下で移籍は自由であり、部屋付きの親方が独立して新しい部屋を起こすこともある。

本場所は部屋別総当たりなので、同じ部屋の力士や四親等以内の力士[注 3]は優勝決定戦や花相撲以外で対戦しない。かつて、貴乃花と若乃花の兄弟横綱が誕生し、貴ノ浪などの強豪関取が当時の二子山部屋に集中した1990年代、同部屋対決や強制移籍で特定の部屋への関取集中排除を期待する意見があったが、2023年現在、そのような意見は存在しない。

他のスポーツの審判に相当する行司が日本相撲協会直属[注 4]ではなく部屋に所属するのは一見奇妙だが、これは江戸時代に部屋ごとに巡業を行っていた名残であり、部屋の雑務の労働力としても貴重だからである。しかし、本場所で同じ部屋の力士を行司が裁くのはおかしいのではないかという意見がニワカにある[注 5]。しかし、ニワカの意見が正しいのかもしれない。

呼出、床山、若者頭世話人もそれぞれの相撲部屋に所属し[注 6]、行司とともに、土俵での仕事の他に部屋の裏方仕事もこなしている。

俗に「おかみさん」と呼ばれる部屋師匠夫人の役割も見過ごせない。マネージャーの置けない部屋では部屋の経理を担当したり、後援会の窓口として渉外の仕事にも携わる。また力士の「心理的な支え」としても役割は大きい[注 7]

なお、出羽海一門では、単に「部屋」と言った場合に出羽海部屋のことを指す様である[1]

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. 部屋後継で引退の場合、親方資格は幕内通算12場所、関取のべ20場所に緩和される。
  2. 天龍源一郎は所属部屋から独立する部屋への移籍を希望したが、それができずに力士を辞めた。
  3. 姻戚も含む。
  4. 戦後の一時期、行司部屋が存在した。
  5. それをいうのなら、親方が勝負審判として弟子の力士の土俵下に付くのも奇妙となる。
  6. 相撲部屋によっては、師範代やマネージャーが置かれることもある。
  7. 新相撲経験のある雷部屋のおかみのように、実質師範代として力士の稽古を付けるおかみもいる。
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