甲越信戦録
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甲越信戦録(こうえつしんせんろく)とは、戦国時代の史料である。
概要[編集]
著者・成立年代[編集]
著者は不明。成立については1巻の巻頭に徳川家光の時代に上杉氏から差し上げたもので、大久保忠教や天海からこの著書を信頼されたのだという。大久保の死が寛永16年(1639年)、天海はそれ以降なので、少なくとも大久保が死去するまでに成立した可能性がある。しかし、8巻の論評の中に「当寛政九丁巳年迄二百三十六年なる也」とあるため、1巻の巻頭にあるのはそう書くことでリアリティを加えただけで、実際に成立したのは江戸時代後期の寛政9年(1797年)の可能性がある。
別称は『甲越信戦記』(こうえつしんせんき)、『甲越真戦録』(こうえつしんせんろく)など。
内容[編集]
- 1巻 - 山本勘助の紹介、甲斐武田氏の由緒について。
- 2巻 - 武田信玄と村上義清の戦い。
- 3巻 - 長尾氏の由緒と長尾景虎、武田信玄との戦い。
- 4巻 - 第1次・第2次川中島の戦い。
- 5巻 - 第3次川中島の戦い。
- 6巻 - 第4次川中島の戦い、謙信の上洛について、謙信は上洛して信玄との和睦を計画したが不調に終わる。
- 7巻・8巻 - 第5次川中島の戦い。
7巻に「財は一身の家臣は国家の宝也」などと漢文的措辞を冒頭に据えながら叙述を展開している。この書き方からしても、江戸時代の作品であると裏付けることができるかもしれない。