流量観測

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流量観測(りゅうりょうかんそく)とは、河川の流量を計測する水文観測の一種である。流量は河川の管理のために必要不可欠なものであり、通常の流量の他に洪水時にも流量を観測し、治水計画の基礎資料とするなど重要なものである。

観測方法[編集]

河川を流れる水の流量は直接測ることができないため、計測箇所の河川の水位と流速を計測し、河川の横断面積をかけることで流量を求めるものである。 一般に流量観測として用いられている方法もこの手法であり、計測するライン上を決められたピッチで区分し、その区間上の流速と水位を合算していき計測場所においての流量を算出するものである(断面法)。流速を測るためにはプロペラ式流速計や電磁式流速計が用いられており、浅い箇所では水深の6割程度で一点、ある程度の水深がある場所では水面から2割のところと8割のところで二点計測することになっている。おおよそ75cmが基準となるが、業務の仕様により異なる場合も珍しくない。 上記の断面法は河川を徒歩で横断できたり、流れが穏やかでが流されにくいような場所において採用されるものである。そのため、流速が速く水深もあり、徒歩では危険であり、船では流されてしまうような場所においては浮子を使った観測が行われている(浮子法)。これは流速計の代わりに浮子を投げ込み、一定区間を流れる時間で流速を計測するものである。後述する高水流量観測においては一般的に使用されるものである。 なお、小さななどである程度の落差がある場所においては土嚢などで流れる水を一点に集中し、その全量を容器に溜めて流量を求める方法もある(容器法)。

高水流量観測[編集]

台風や記録的豪雨などで増水した場合に行われる流量観測である。基本的に河川には近づけないため、橋梁の上などから浮子を投入するものである。それでも水位観測を行うため、複数名は水際まで接近しなければならない。平時の流量観測(低水流量観測)は決められた時期の日中に行われることが多いが、高水流量観測は台風や豪雨が予想される場合に行われるものであるため、日中か夜間かを問わないものである[注 1]。夜間の場合は日中に使う浮子が見えないので、サイリウムを取り付けて投下する。それでも濁流に飲み込まれて見えなくなることも珍しくない。

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. 多くの場合、流域の降水ピーク前後であることが多い