水葬
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『水葬』(すいそう)とは、遺体を海や川へ沈める儀式。
概要[編集]
死者の遺体を宗教的・環境的な理由から火葬・土葬することが難しい場合に行われる。あくまで弔い方の選択肢の一つであり、中には水葬をしないで他の弔い方を選ぶ遺族もいる。
有名なのはインドのヒンドゥー教で死者を火葬した後、残った遺骨をガンジス川へと流す。遺骨をガンジス川に流すことで生前の罪を洗い流し、苦しい輪廻を繰り返さずに転生できると信じられているからである。ただし地域によっては火葬せずにそのまま遺体を流すこともある他、金が無いもの、赤ちゃん、妊婦、蛇に噛まれて死んだ人は火葬せずにそのまま遺体を流す。
ヒンドゥー教以外では軍民問わない船員と上陸戦の犠牲者が水葬を行うことがある。長距離航海中に死者が出た場合、遺体を次の寄港地まで保管することが難しいこともある。そのような場合に遺体を棺に収め、海へと投下する。日本の場合、法律で定められた手順を守らないと死体遺棄罪の罪に問われることがある。
- 伝染病で死亡した場合を除き、死後24時間を経過していること
- 衛生面の問題で死体を船内に保管できない時。ただし死体を船内に保管できる場合でも死体を載せた状態での入港が不可能な場合は水葬が認められる
- 医師が乗船している場合は医師が作成した死亡診断書があること
- 伝染病によって死亡した場合、十分な消毒を実施すること
- 水葬する本人の写真撮影、遺髪、遺品を保管し、遺体が浮き上がらないよう相応の措置を施し、儀礼を持って行うこと。
自衛隊にも水葬についての規定がある。民間船とほぼ同じだが、以下の2条件が異なる。
- 医官が乗船している場合は医官が作成した死亡診断書か死体検案書があること
- 伝染病によって死亡した場合、感染症法およびこれに基づいて発する命令の規定による消毒方法をしていること