土葬
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『土葬』(どそう)とは、死者の遺体をそのまま地面に埋める儀式。
概要[編集]
世界的にポピュラーな弔い方。
多くの宗教が死者はいずれ復活すると考えており、復活の時に備えて遺体を損壊することのない土葬が好まれる。
古代エジプトでミイラが作られたのも将来の復活を考え、遺体を安定的に長期保存するためであった。
土葬には以下のメリットがある。
反対に以下のデメリットもある。
- 遺体とは言え50kg以上の有機物を地面にそのまま埋めるため、土壌や地下水を汚染してしまう
- 墓地に広いスペースが必要になるため、人口増加で墓地が不足しやすくなる
現在は先進国を中心に人口が増え、土葬に必要な墓地が不足気味になりつつある。また地下水を利用する関係で土葬による土壌汚染が地下水の利用に影響をもたらす事もある。このため未だに社会へ強い影響力を持つイスラム教以外の土葬を原則とする宗教でも土葬以外の火葬などを認めるようになっている。
日本の土葬[編集]
現在日本では99%以上の遺体が火葬されるが、故人の意向などで土葬される例がごく僅かながら存在する。かつては全国的に土葬が主流であり、火葬は上流階級だけ、都市部の住民だけ行うものという考えもあった。このため地方では1990年代まで土葬することが多かった。
明治政府は廃仏毀釈運動の一環で一時火葬を禁止したことがあった。しかし都市部を中心にあっという間に墓地が不足した上、伝染病の蔓延を招いてしまったため1年程度で火葬を認めることとなった。
現在は法律で土葬も認められているが、東京、大阪などを中心に土葬が禁止されている地域が多い上、土葬が可能な地域でも自治体の内規レベルで土葬が禁止されている関係で土葬出来ないことも多い。このため日本在住のイスラム教徒は遺体を土葬できる本国に持ち帰るか、日本国内でイスラム教徒の土葬を受け入れている少ない霊園に埋葬するかのいずれかを選ぶ状態となっている。
関連項目[編集]