桜宮高校バスケットボール部体罰自殺事件

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桜宮高校バスケットボール部体罰自殺事件(さくらのみやこうこうバスケットボールぶたいばつじさつじけん)とは、2012年12月23日大阪市立桜宮高等学校の男子バスケットボール部の男子生徒が顧問教諭の体罰を苦にして自殺し、その事が2013年1月8日に大阪市教育委員会から公表された事案である。

概要[編集]

桜宮高校は大阪府内の公立高校として初めて専門学科の体育科を設置し、学校として運動部活動を奨励して高い成果を目標に掲げる方針をとっていた。バスケットボール部の当該顧問教諭Aは日本バスケットボール協会(JBA)公認のコーチ資格を有しており、チーム強化・プレー向上には体罰を伴う指導が効果的であるという考えの持ち主であった。卒業生や保護者などからは全国大会の常連チームへと育て上げた実績を高く評価され、暴行を伴う指導方針が受け入れられていた。

2012年12月22日、Aが主将の男子生徒Xに恒常的な怒号と暴行を伴う指導を与え続け、Xの顔面・頭部を殴打した。この様子は部外者である一般観覧者が動画に収めており、裁判で証拠として採用されている。翌日12月23日の早朝、Xが自宅の自室で首を吊って心肺停止状態になっているところを母親が見つけ、すぐさま病院へ搬送されるも死亡が確認された。

正月明けの2013年1月5日、AはXの自宅を訪問して桜宮高校で指導者として復帰し部活動を継続する旨についてXの遺族から許諾・了承を得ようとしたが、自己保身とも受け止められる要望にXの遺族は悪感情を抱き、Aを相手取って刑事告訴へと踏み切った。

2013年1月8日、大阪市教育委員会は一連の体罰による自殺の件を公表し、翌週15日には桜宮高校男子バスケ部の無期限活動停止と校長更迭を決定。1月21日には体育科およびスポーツ健康科学科の入学試験を中止し、両学科の定員を普通科へと振り替えることが決定した。この措置については「体罰の責任を受験生に押しつけるのは筋違い」など批判も出たが、中止の決定は覆らなかった。

Aは2月に懲戒免職となり、6月にはJBA公認コーチ資格も取り消されている。なおAの暴行を伴う指導を容認する一部の保護者等から寛大な処分を求める嘆願書が市教育委員会へと提出されているが、処分が覆ることはなく、刑事裁判でも懲役1年、執行猶予3年の有罪判決で即日結審している。
Aは2024年にJBAへコーチ資格の回復を求める申し立てを行ったが、JBAは「再び体罰などを行うおそれがないとは言えない」などとして資格の回復を認めなかった。[1]

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