東急7700系電車
東急7700系電車(とうきゅう7700けいでんしゃ)とは、かつて東急電鉄にて運用された東急7000系電車(初代)の改造車である。
概要[編集]
アメリカ、バッド社による技術提供により1962年に日本初のオールステンレス車としてデビューし、東急新玉川線を除く全東急線で運用された。そんな大活躍をしていた7000系であったが車体を除くほとんどが老朽化。また非冷房・抵抗制御車と言う点が影響し1980年代より撤退を開始。ステンレス車体の状態が良好であった事から1988年より7700系へと改造が施された。
改造内容[編集]
長津田車両工場内の東横車両電設(現東急テクノシステム)にて改造が行われた。
冷房装置は東急9000系と同一品を設置。分散型のため1両あたり屋根上に3基搭載した。
運転台ではツーハンドルマスコンから、ワンハンドルマスコンへ、ワイパーは空気式から電動式へ変換。警笛に電子ホーンの追加など多岐に渡る改造が行われた。
床下機器も同じく全面的に交換され、主制御器は抵抗制御からGTO-VVVFインバータ制御に換装、ブレーキは電気指令に換装された。台車は老朽化や主電動機の交換のため、空気ばね台車へと換装された。
保安装置は東急形ATS装置とTASCを搭載した。
前面には赤帯を設置、車両の化粧板も交換された。
運用[編集]
改造後東急目蒲線(現東急目黒線・東急多摩川線)・東急池上線で運用されていた7700系だったが、2000年に多摩川駅を境に分断され運用区間が多摩川以南に縮小。この際両数を短縮したためサハ7950形が抜き取られ形式消滅した。
2010年、東急7000系電車(2代)の置き換え対象が東急1000系電車から当形式に移行した事により置き換えが開始。置き換えの一時中止などもあり長らく運行が続けられたものの全編成が2018年までに引退した。しかし現在でも車体状態の良さから一部の会社に譲渡、現在も他会社にて運行が継続されている。
譲渡[編集]
十和田観光電鉄[編集]
目蒲線が系統分離の際サハ7950全車と4連3本が余剰となった車両の内、置き換えを検討していた十和田観光電鉄に譲渡されることになり譲渡、7700系として運用開始した。
なお十和田観光電鉄線が2012年に廃線になった事により、引き取り手すら誰も現れず全所有車廃車。譲渡車の方が先に廃車される現象が起きた。
養老鉄道[編集]
東急での運行終了の2018年に譲渡され養老鉄道7700系電車として現在も運用され続けている。今後30年ほど運用されると予想されている。