最後尾前照灯

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最後尾前照灯(さいこうびぜんしょうとう)とは、鉄道において、列車の最も後ろの部分に前照灯をつけるという事象。

概要[編集]

列車を夜間に運行する際、最前部では白か黄色の前照灯、最後部には赤い尾灯を点灯する、あるいは赤い反射板を後部標識として取り付けることが義務付けられている。近年ではこれを昼夜問わず実施している事業者がほとんどである。

しかし、中には最後部に前照灯をつけてしまうという事例も少なからず存在し、その多くは方向転換時に乗務員の不注意で前照灯をつけたままにしてしまうというもので、京浜急行電鉄などで多く見られるが、中には意図的にこのようなことをやっている事業者もあるので以下ではその事例を、海外を含め紹介する。

不注意でない事例[編集]

最終列車[編集]

大阪メトロ御堂筋線などでは最終列車であることを示し、そのあとに来る回送電車と勘違いさせないために当該列車の最後部には尾灯と前照灯の両方を点灯する。

入出庫[編集]

犬山検査場から出場し犬山駅へ向かう名鉄の回送列車

豊橋鉄道東田本線などで入出庫が行われる際、作業の手間を省くために最後部の前照灯をつけっぱなしにして入庫していく。出庫の際も同様である。

車庫ではないものの名古屋鉄道金山駅犬山駅でも似たような傾向が見られ、作業員にもよるが折り返しの手間を少しでも省くため金山駅では、金山行きの列車の一部は前部に前照灯と尾灯、後部に通過標識灯を点灯させた状態で引き込み線に入っていく。

スイッチバック駅[編集]

姨捨駅などでは乗務員の移動の手間を省くべく、スイッチバックの際に最後部の運転台で制御することがある。この際の点灯の切り替えも省略する。

これについては貨物列車でも同じ対応をすることがある。

車両の入換[編集]

これも手間を省くために前照灯をあえてつけたままにしておく事例。これら3つは本線上でないという点で特筆できる。

新盆唐線や平壌地下鉄など[編集]

最後部には尾灯が存在するにもかかわらず、地下トンネルでの視認性向上のためにあえて前照灯をつけておく例。

ブエノスアイレス地下鉄[編集]

海外からのお客様のためにあえて車掌さんが尾灯を切り、前照灯をつけておもてなしをすることがある。なお、これは日本において許されないことである。

前照灯の消灯が不可能[編集]

ブエノスアイレス地下鉄La Brugeoise電車などの初期の電車や一部の機関車に見られるもの。ヨーロッパの国鉄線上でも健在である。

関連リンク[編集]