敦煌
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敦煌(とんこう、トンホワン)とは、中華人民共和国の華北地区の甘粛省北西部、河西回廊最西端の都市である。人口は2000年の時点で13万5000人。敦煌は「偉大な都」を意味する。日本の神奈川県鎌倉市、大分県臼杵市と姉妹都市提携を結んでいる。
概要[編集]
オアシス都市として古くから東西を結ぶ交通路の要衝として栄え、月氏・匈奴の支配を経て紀元前111年に前漢の武帝が城塞を築き、西域経営のため敦煌郡を設置し、以後は歴代王朝の西域支配の拠点となり、シルクロード交易の中継地点として発展した。なお、敦煌より以西を「西域」と称しだしたのはこれからだと言われている。
唐の時代まで敦煌は西域に対する拠点として機能したが、唐が衰退すると吐蕃・西夏の支配を受け、西夏では沙州と呼ばれるようになった。
モンゴル帝国により西夏が滅亡すると、この都市は重要性を失って衰退する。その間に敦煌莫高窟と呼ばれる500窟近くにも及ぶ石窟寺院群が彫られ、中国・中央アジアの影響を色濃く残した仏教文化が繁栄した。清の時代である1759年に都市として再建がなされ、20世紀初頭に大量の古文書が敦煌莫高窟から発見されて学術面で一躍注目を集め、「敦煌学」のジャンルが形成された。1987年には市に昇格する。同年に敦煌洞窟と言われる洞窟は世界文化遺産に登録されている。他にも世界的に有名な石窟寺院などが数多く存在する。