放射交通

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放射交通(ほうしゃこうつう)とは、都市の中心部から郊外方向を結ぶ交通路のこと。

概要[編集]

都心より、放射状に伸びていくことから、放射線とも呼ばれる。この放射交通どうしをつなぐものが環状交通である。この放射交通と環状交通を組み合わせて交通を確保する都市計画は、古くから広く用いられている。

特徴[編集]

放射交通にあたる路線は、線形がおおむね直線的である(もちろん山河・湖沼といった地形により、あるいは路線の成り立ちにより完全な直線では無い場合が殆ど)。都心部から郊外に向かったり、あるいはまた別の都市圏へと通じることが多い。

都心部付近では、放射交通が一点に向かって収束するため、重要な幹線が密に存在するが、郊外に向かっていくにつれ、放射交通どうしの間隔が広がり、疎になっていく。このため、郊外では幹線と生活圏が離れてしまい、いわゆる陸の孤島とか交通空白地帯が生まれがちである。対策として、放射幹線からさらに分岐する放射交通を設置したり、環状交通を設置することがある。

郊外の疎な交通を補完するための放射交通は、必ずしも都心部まで作られるわけではない。他の放射交通に合流したり、あるいは環状交通との交差点を終点として、環状交通経由で他の放射交通に誘導、都心部へ向かうこととなる。

また、都市を横断する形での交通需要に対しては、放射交通は脆弱となりえる。都市を通過するだけの需要と、都市に出入りする需要が重なり、都心部により多くの交通が集中する。かといって交通容量をむやみに上げるわけにもいかず(開発済みの土地建物を収容して道路等を設置することは地価が高い都心部において現実的ではない場合もある)、交通がマヒする可能性もある。都心部を迂回させるには、環状交通の存在が不可欠である。

鉄道では、都心部では近距離の日常利用需要が高く、多くの列車を運転し輸送力を高めるいっぽう、都心部ほどの日常利用需要が存在しない郊外では、普通列車を減らし、遠距離移動を担う急行列車の割合が相対的に多くなる傾向がある。

実例[編集]

東京都を都心部とする交通を考えると、放射交通は次のような路線があたる。

鉄道[編集]

  • (南西)東海道線・東海道新幹線
  • (西)中央本線
  • (北)湘南新宿ライン・東北新幹線
  • (北東)常磐線
  • (東)総武本線
  • (南東)京葉線

高速道路[編集]

以上のように、都心部を起点とし、郊外方向へと伸びていく路線群である。

関連項目[編集]