御年寄

御年寄（おとしより）とは、江戸城大奥における実務面の最高責任者の女中のことである。別名を老女（ろうじょ）という。身分は御目見え以上で、別名から50歳以上の老婆が就任することが多かったが、実力や実務面の処理に長けている場合などは若い女性が就任する例もあった。定員は7人前後で、征夷大将軍の正室である御台所の食事や寺社参詣の手配などを担当したりした。1日の大半は仕事が無い限りや終わったりした後は、決められた場所に着座して不動の姿勢を保ったという。大奥の最高位は上臈であるが、御年寄が上臈を抑えて実権を掌握する場合もあり、大奥における老中に相当する地位として実際に老中と交渉したりする権限も有していた。そのため、徳川御三家や御三卿の正室であっても、御年寄の存在は決して無視できないような権威を有していたという。