強制起訴
ナビゲーションに移動
検索に移動
強制起訴(きょうせいきそ)とは、検察が不起訴の判断をした被疑者を一般の市民による検察審査会の判断で強制的に起訴させる制度である。
概要[編集]
検察が捜査したものの、不起訴とした事件に対して、不作為に選ばれた一般の市民11人で構成される検察審査会で二度にわたって「起訴相当」と議決した場合に、強制的に起訴するという制度。起訴相当の判断には11人中8人以上の賛成が必要。
検察審査会そのものは1948年から存在していたものの、起訴相当の議決をしても法的拘束力はなく、検察の判断に任されていた。しかし、2009年5月21日から、検察審査会法の改正されたものが施行。議決に法的拘束力が加わるようになった。
起訴相当と二度にわたって判断されると、裁判所によって検察官役の弁護士を指定。指定弁護士は、検察官の代わりに公判を担当することになる。
公訴提起条件[編集]
起訴相当と議決された場合でも、次の場合は無効となる
- 被疑者が死亡している
- 公訴時効が成立している
強制起訴された事件[編集]
強制起訴された事件。強制起訴された順に記載している。
- 明石花火大会歩道橋事故(初の強制起訴の事案。実質無罪の免訴判決)
- JR福知山線脱線事故(起訴された三名はいずれも一審無罪判決)
- 沖縄県南城市未公開株詐欺事件(強制起訴事件における初の判決がでた事件。一審無罪、検察役の指定弁護士が控訴するも二審も無罪判決。強制起訴事件初の上告をするも、無罪確定)
- 陸山会事件(一審、二審ともに無罪。強制起訴事件で初の無罪確定事件)
- 尖閣諸島中国漁船衝突事件(公訴棄却)
- 徳島石井町長ホステス暴行事件(強制起訴事件の初の有罪判決が出た事案、弁護側は控訴するも二審も有罪判決)
- 鹿児島ゴルフ指導者準強姦事件(性犯罪としては初の強制起訴の事案)
- 松本市柔道教室事件(柔道事故としては初の強制起訴事案、強制起訴事案としては初の有罪判決確定)
起訴相当・不起訴不当と議決された事案[編集]
- 滋賀県愛荘町立秦荘中学校柔道部事件 - 一度目の検察審査会の審査では起訴相当の議決。その後、検察が不起訴として二回目の検察審査会での審査で不起訴となる。
- 子育て支援ひろばキッズスタディオン事件 - 一度目の検察審査会の審査では起訴相当の議決。再捜査が行われて検察が起訴。有罪判決が出る。
- 東北新社役職員による総務省幹部接待問題 - 一度目の検察審査会の審査で総務省衛星・地域放送課長のみ不起訴不当の議決。菅正剛など東北新社側の役員等については、不起訴相当と議決。