徳島石井町長ホステス暴行事件

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徳島石井町長ホステス暴行事件(とくしまいしいちょうちょうほすてすぼうこうじけん)とは、2009年に徳島県石井町長が女性ホステスを暴行したと訴えられた事件である。

概要[編集]

2009年7月9日午後10時ごろ、徳島県徳島市徳島県石井町長の河野俊明が、フィリピンスナック「サンパギータ」で、フィリピン人の女性ホステスの右顔面に左拳を押しつけて暴行を加えたとされた。

2009年12月、徳島県警は、河野町長を傷害容疑で書類送検。2010年12月、徳島地検は、「酒を飲んでの偶発的・衝動的な犯行であり、事案も軽微なものだ」として、暴行罪の容疑に切り替えたうえで、起訴猶予とした。この判断を不服としたホステス側は、検察審査会に訴える。

2011年4月、徳島検察審査会は、起訴相当の議決をした。店の従業員や常連客らの目撃証言などを基に暴行があったと判断し、別の女性従業員からの告げ口を受けて及んだ計画的な犯行」と認定。起訴相当の議決を受けて再捜査が行われるも、2011年9月に徳島地検は「偶発的な犯行で事案も軽微なもの」だとして、再び起訴猶予とした。

2011年12月16日、徳島検察審査委員会は再び起訴相当の議決をする。議決書では、事件後にフィリピン人女性が中国人ホステスに町長の犯行を示唆するような質問をしているのを従業員が聞いていたことや、河野町長がフィリピン人ホステスに「従業員は大事にしろよ」と口にしていたことなどから、町長が言動による脅迫をしていたと認定。その上で、町長が全面的に否認しており、地方公共団体の長の職にある責任を考慮したとした。

二度目の強制議決を受けて、2012年3月27日に指定弁護士が暴行罪で強制起訴(在宅起訴)した。全国6例目の強制起訴で、暴行罪での強制起訴は初。

刑事裁判[編集]

検察役の弁護士は、親密にしている中国人従業員にフィリピン人女性従業員が接客態度を改めるようにと勤務態度を注意して、そのことを聞かされた町長が計画的に暴行を加えたと主張。弁護側は、一貫して起訴内容を否認。店にいた大半の人が暴行を目撃していないのは不自然と主張した。

2013年2月8日、徳島地裁佐藤晋一郎裁判長)は科料9000円(求刑罰金20万円)の有罪判決を言い渡した。強制起訴事件での1審判決は全国で3例目で、初の有罪判決の事例となった。判決で「被害者や客の目撃証言は信用できる」として暴行の事実を認定したうえで、「暴行は軽微だが、被害者が受けた屈辱感は相当大きい」とした。一方で、事件後の町長選前に被害者側関係者らが町役場に押し掛けるなどしていたこともあり、求刑より軽い量刑とした。この判決を不服として、弁護側は即日控訴した。

一審判決後、町長の暴行していたことを証言していたスナック常連客の男性が「証言は虚偽だった」と供述。実際は暴行を見ていなかったと証言を翻す。男性客は第三者として事件を目撃した唯一の人物と一審判決で認定されていた。弁護側は、「暴行を見ていなかった。(被害者の)女性や別の従業員から頼まれ、うそをついた」と告白されたと公表[1]。男性客は、事件後に女性ホステス側に無料で食事を提供されていた。

2013年7月31日に控訴審の初公判が開かれ、町長は改めて「女性に触れていない」と供述。「本当は見ていない」と告白した男性客を証人申請して認められ、男性客二人が証人として出廷。第三者の男性は2013年9月の控訴審第2回公判で、1審段階での証言を覆して「本当は見ておらず、暴行があったか分からない」と証言した。この証言を基に、弁護側は「暴行の事実を認定する前提が崩れた」として主張し、検察官役の指定弁護士は「暴行がなかったと主張しているわけではなく、暴行があったかわからないとしているだけ」として暴行があったと主張した。

2014年2月12日、高松高裁佐野哲生裁判長)は、科料9000円とした1審判決を支持[2]。強制起訴された事件の中では、1審に続いて唯一の有罪判決となった。判決では、「1審判決後に男性が呵責の念を感じたというのは不可解で、1審での証言が信用できる」として、被害者の証言は信用でき、暴行はあったとした。また、「第三者の男性がフィリピン人の女性に迎合しているなら、拳で殴ったと供述するのが自然であるにも関わらず、捜査段階から1審まで拳では殴っていないと供述していた」などの事実も指摘した。

河野は、判決を不服として最高裁に上告した[3]

民事裁判[編集]

徳島市の地元情報紙「トリビューンしこく」において、2010年2月25日の女性暴行事件について報じた記事で名誉を傷つけられたとして、河野町長が名誉毀損だとして慰謝料約220万円と謝罪広告の掲載を求めて民事訴訟を起こす。2012年9月5日、徳島地裁は、情報誌側に損害賠償5万円の支払いを認める一方、謝罪広告の掲載は退ける判決を言い渡した。判決では、「『人品骨柄の卑しさ』との表現は人身攻撃と認めるほかなく、公然と侮辱した」として町長に対する名誉棄損だとする主張を認めた[4]

脚注[編集]

関連項目[編集]