山口智美 (文化人類学者)

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山口 智美(やまぐち ともみ、1967年 - )は、日本出身の文化人類学者。モンタナ州立大学社会学・人類学部准教授。専門は文化人類学、フェミニズム[1]

略歴[編集]

1967年東京都生まれ[2]。1990年国際基督教大学教養学部卒業。2004年ミシガン大学人類学部民族学(文化人類学)専攻博士課程修了(Ph.D.)[3]シカゴ大学東アジア研究センターポストドクトラル研究員を経て、2007年よりモンタナ州立大学社会学・人類学部助教。2013年より准教授。

研究[編集]

能川元一、テッサ・モーリス=スズキ、小山エミとの共著『海を渡る「慰安婦」問題』(2016年)では、1990年代から歴史修正主義と右派の流れを概観し、対立することもある様々な右派系運動が「慰安婦」問題では連携して活動していると指摘した。ジェンダー研究者の申琪榮(お茶の水女子大学人間文化創成科学研究科准教授)は同書について、「右派の歴史修正主義を分析した研究書はいままでもあったが、国内における右派言説や「社会運動」的な側面に焦点を当てたものが多かった。本書は、海外で展開している右派の新しい動きに注目した点で特徴的である。」と評している[4]

年譜[編集]

学歴[編集]

  • 1990年3月 国際基督教大学教養学部語学科(コミュニケーション専攻)
  • 1992年8月 ミシガン大学女性学プログラム女性学 Graduate Certificate
  • 1992年8月 ミシガン大学コミュニケーション学部コミュニケーション研究 M.A.
  • 2004年5月 ミシガン大学人類学部民族学(文化人類学)専攻 Ph.D.

経歴[編集]

  • 2004年9月 - 2007年6月 シカゴ大学東アジア研究センターポストドクトラル研究員
  • 2007年8月 - 2013年7月 モンタナ州立大学社会学・人類学部助教
  • 2014年8月 - 2015年6月 上智大学比較文化研究所客員研究員
  • 2013年8月 - モンタナ州立大学社会学・人類学部准教授[5]

所属学協会[編集]

  • American Anthropological Association
  • Society for East Asian Anthropology
  • Association for Feminist Anthropology
  • American Ethnological Society
  • Association for Asian Studies
  • National Women's Studies Association
  • 日本女性学会[5]

著書[編集]

共著[編集]

  • 『社会運動の戸惑い――フェミニズムの「失われた時代」と草の根保守運動』 斉藤正美、荻上チキ共著、勁草書房、2012年
  • 『海を渡る「慰安婦」問題――右派の「歴史戦」を問う』 能川元一、テッサ・モリス=スズキ、小山エミ共著、岩波書店、2016年
  • 『ネット右翼とは何か』(樋口直人、永吉希久子、松谷満、倉橋耕平、ファビアン・シェーファー共著、青弓社[青弓社ライブラリー]、2019年)

編著[編集]

  • 『行動する女たちの会 資料集成』全8巻 行動する女たちの会著、高木澄子、中嶋里美、三井マリ子、山田滿枝共編、六花出版、2015-2016年

寄稿[編集]

  • 『行動する女たちが拓いた道――メキシコからニューヨークへ』 行動する会記録集編集委員会編、未來社、1999年
  • 『バックラッシュ!――なぜジェンダーフリーは叩かれたのか?』 双風舎編集部編、双風舎、2006年
  • A Companion to the Anthropology of Japan, edited by Jennifer E. Robertson, Wiley-Blackwell, 2008
  • Politics and Pitfalls of Japan Ethnography: Reflexivity, Responsibility, and Anthropological Ethics, edited by Jennifer E. Robertson, Routledge, 2009
  • 『日本会議と神社本庁』 成澤宗男編著、金曜日、2016年
  • Press Freedom in Contemporary Japan, edited by Jennifer E. Robertson, Routledge, 2016
  • 『私にとっての憲法』 岩波書店編集部編、岩波書店、2017年

脚注[編集]

  1. 斉藤正美、山口智美、編集部「特殊扱いでは右派の全体像は見えない メディアは調査報道の手法で取材せよ」『Journalism』2016年5月号(通巻312号)、6ページ
  2. バックラッシュ! 双風舎、2017年6月11日閲覧。
  3. 夫婦別姓の前に立ちはだかるもの Video News Network(2015年7月4日)、2017年6月11日閲覧。
  4. 申琪榮「山口智美、能川元一、テッサ・モーリス‐スズキ、小山エミ著 『海を渡る「慰安婦」問題——右派の「歴史戦」を問う』」『ジェンダー研究 お茶の水女子大学ジェンダー研究所年報』第20号(通巻37号)、2017年、121-124ページ
  5. a b 山口智美 Researchmap(2017年4月8日)、2017年6月11日閲覧。

外部リンク[編集]