孔伷

孔 伷（こう ちゅう、生没年不詳）は、後漢末期の政治家・豫州刺史。字は公緒（こうしょ）。

生涯

兗州陳留郡の出身。前半生は不明。董卓が政権を掌握するとその推挙により豫州刺史に任命される。ところが自分を同じく推挙してくれた許靖が董卓を恐れて出奔したため、彼を自分の下に庇護した。190年、反董卓連合軍に参加するが、名を連ねるだけで活躍した記録は無い。議郎の鄭泰が董卓に孔伷の人物について尋ねられたとき、人物評価や清談・高論は得意で彼が息を吹きかければ枯木に花を咲かせ、生木を枯れさせるほど」と評したという。しかし軍事的才能は皆無だったようである。

董卓が死去してから袁紹と袁術が豫州刺史の後任をめぐって争っているため、192年前後には孔伷も死去していたものと考えられ、彼の死去が袁氏の内紛を招く一因になったものと思われる。

『三国志演義』では反董卓連合軍に参加して第3鎮として進軍する諸侯として登場。しかし活躍の場は無く姿を消している。

参考文献

• 小出文彦 『三国志武将事典』（株式会社新紀元社。2014年12月）