地元集中

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地元集中(じもとしゅうちゅう)とは、

  1. あるものを地元に集中させること
  2. 義務教育でない高等学校で生徒の志望に逆らって、中学教諭が地元の高校へ進学するように生徒に同調圧力をかける進路指導を行うこと。

ここでは、2.について詳述し、特にその傾向が顕著で、当時の世代からも未だ反感を買う大阪府の事例については「地元集中 (大阪府)」のページを参照。

概要[編集]

高等学校は義務教育でないので本来は生徒に学校選択権があり、野球留学、相撲留学などのスポーツ留学や全国的に難関大学進学実績の高い地元外の進学校への国内留学も見られ、昨今は普通科高校でも都県下一円を学区として選択度を高めることも行っている。

しかしそうした進学ができるのは才能や理解ある親に恵まれた場合で、理解の乏しい親は、地元進学を望む担任と協調して、地元外進学を断念するように圧力をかけて、希望が叶わないことも少なくない。

地元集中は高校受験生の多かった時期はどの県でも大なり小なりあり、特に中堅成績層で地元外進学を希望する受験生に被害が及んだ。

地元集中を生み出す温床[編集]

高校教諭と中学校教諭は、「中高連絡会」といった会合によって、卒業した中学生の近況報告などの情報交換を行う。しかし、地域によっては高校進学者数の多かった時期に、入学者数に関する談合まがいの調整が行われる場ともされた。
そうしたことによって、中学校側は背信とならないように地元高校へ中堅上位層をできるだけ送り込むと共に、中堅上位層を地元外に流出させない宿命を負わされた。

また、地元外の高校にとっても中学校側が「地元集中」してくれる進学者調整にはメリットがあった。というのも、高校側が地元外生を合格させると必然的に地元の合格者が減り、地元外生を合格させたことに地元の中学校がクレームを付けるからである。

自治体再編まで影響したと思われる例[編集]

全日制普通科で尾張・三河の二大学区を1960年代から続け学校選択幅が広いとされる愛知県で2003年に稲武町が北設楽郡から東加茂郡に鞍替えしたが、この鞍替えの背景の一つに「地元集中の進路指導」と「公立高校の排外姿勢」が噂されている。
というのも、北設楽郡は教員異動等における背景で東三河新城市等の高校との繋がりがあったが、稲武町の高校受験生の親の多くは豊田市の高校への進学を希望していた。しかし、市内や西加茂郡東加茂郡の町村との繋がり重視の高校側で稲武町からの進学者を排除的に扱うことが噂され、いち早く稲武町から豊田市内の転居を行う受験生家庭もいたほどだった。稲武町は東加茂郡に鞍替えした2年後の2005年に豊田市に合併した。

その他[編集]

地元集中(地元外進学排除)の対象となるのは、中堅校の普通科が中心で、上位校、希少学科の高校教育困難校は対象とならない。
上位の進学高や希少学科の高校は広域から進学することが中学校からも黙認されているからであり、教育困難校は生徒をかき集めるために、地元外排除なんて言っておれないからである。