南愛名中

南愛名中（なんあいめいちゅう）とは、中京圏の私立大学群であり、愛知県名古屋市に本部を置く名門私立4大学で括られる。名称は、各大学の漢字表記の頭文字で構成されている。具体的には下記の4校からなる。

• （南）- 南山大学（愛知県名古屋市昭和区）
• （愛）- 愛知大学（愛知県名古屋市東区）
• （名）- 名城大学（愛知県名古屋市天白区）
• （中）- 中京大学（愛知県名古屋市昭和区）

概要

愛知県は伝統的に公立高校や国公立大志向が強く、関東や関西のような私立大学群はネットスラングレベルだったが、受験生急増期以降、中京大学が模試偏差値的に伸びて、大学群形成の萌芽が生じ、2010年代後半に雑誌等で使われるようになった。

この中では、昭和末期より文系では南山大学が頭一つ抜けている。このため、似た偏差値的による分類として南山大を外して愛知学院大学を加えた、愛愛名中（あいあいめいちゅう）もかつては使われた。

理系は南山大や中京大にも設置されてはいるが、名城大の一強となっている。

「文系の南山、理系の名城」と称されており、南山文系と名城理系のツートップで「南愛名中」を引っ張っている。

特徴

• 愛知大学は文系学部のみ、かつ発祥の地が名古屋市外で、大学令による旧制大学の時代がある。また直轄の附属学校を持たない。
• 中京大学は、旧制では中等学校（商業学校）のみで、大学は新制でゼロからの新設である。

マスメディアの扱い

『週刊ダイヤモンド』 2017年9月16日号にて、地方勢力「南愛名中」と題して各校の特集が掲載された。2018年にも各校のイメージを看板学部や学生のキャラを加えて取り上げられた。その紹介文に「中部エリアのトップ私立大学は『南愛名中』でくくられる南山大学、愛知大学、名城大学、中京大学の4校。総合的にその頂点には南山が長らく君臨するが、理系においては名城が頂点に立つ。」という記述がある。2019年にも「南愛名中」を用いた記事が散見される。

『週刊朝日』 2019年1月4-11日合併号にて、「南愛名中」が従来の大学カテゴリーに掲載された。なお、南山大学と愛知学院大学を入れ替えた「愛愛名中」というグループも掲載されている。翌年の『週刊朝日』 2020年10月9日号においても、「愛愛名中」に加えて「南愛名中」というグループも出てきて、大学の序列に変化が見られると記載された。その理由として、東進ハイスクールのW合格を見ると愛知学院大を選ぶ受験生は少なく、偏差値も少し低いことを上げている。

大学ジャーナリストの論評

大学イノベーション研究所の所長を務める大学研究家の山内太地は、名古屋の名門私立大学として「南愛名中」があり、名古屋の大半の人が私立ではここを目指すとしている。また、「南愛名中」の受け皿として愛知学院大学が機能しており、さらに名古屋学院大学に至ってはそれにも満たないとしている。
なお、山内は愛知県の他の大学について、名古屋商科大学は「MBAだけは東京の著名大にひけをとらない」、中部大学は「総合大学化しても理系の地位は盤石」と評している。

教育業界の扱い

予備校・塾においても「南愛名中」が用いられることがある。

秀英予備校では、大学の入試広報担当者全面協力のもと、「愛知4大学説明会」と称して説明会を実施している。「南山大・愛知大・名城大・中京大」の愛知4大学は、地元名古屋では人気があることから、4大学に特化した専用の合格コースが開講されている。

河合塾でも、各地区の拠点大として、愛知4大学を中部地区における主要私立大学グループとしている。