久賀の石風呂
ナビゲーションに移動
検索に移動
久賀の石風呂(くがのいしぶろ)とは、山口県大島郡周防大島町大字久賀に存在する国指定の重要有形民俗文化財である。
概要[編集]
江戸時代に使用されていた蒸し風呂で、旧久賀町市街地裏手の山麓にある。幅は5.4メートル、奥行きは4.6メートル、高さは2.5メートルの花崗岩の石室。
入浴する際には室内で松葉や芝などをたいて、その灰をかき出した後に海藻を敷き、入口に俵で作った扉をして、入浴者は浴衣1枚で中に入って出た後は別に鉄釜で沸かした湯で身体を洗ったといわれ、1度に17人くらいが入浴していたといわれている。
なお、この石風呂の利用は無料ではない。記録が限定的だが、元文2年(1737年)には入浴料という名の税金として1石5斗6升が課されていたとある。つまりそれだけの税金を支払っても利用したい人が多くいたわけであり、江戸時代から明治・大正・昭和まで利用が続けられ、太平洋戦争前後まで町民が利用していたと言われている。
現在は石風呂は粘土で厚く塗られ覆堂で覆われている。昭和33年(1958年)に国の重要有形民俗文化財に指定された。