ラーディー

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ラーディ907年 - 940年)は、アッバース朝の第20代カリフ(在位: 934年 - 940年)[1]

生涯[編集]

第18代カリフ・ムクタディルの子で、父から反乱を企んでいると見なされて後継者の地位を廃され、932年に父が暗殺されると叔父のカーヒルが跡を継ぎ、ラーディはカーヒルによって幽閉された。しかしカーヒルの暴政に反発した宰相による宮中クーデターで934年にカーヒルの廃位・投獄に伴って即位する[1]。だがこのような背景があるため、宰相の手駒になり果て、その宰相が投獄された際には司令官のイブン・ラーイクを頼り、アミール・アルウマラーの称号を与えることで政治的実権を司令官に与えた[1]。また、この時代にはスンニ派が力を持ち、シーア派は弾圧を受けた[1]

ラーディ自身は敬虔な人物で、説法を行なった最後のカリフである。貧しい人々に施しを行なうなどしたが、既にアッバース朝の衰退からその施しは限定的なものに過ぎなかった[1]。940年に死去し、跡を弟のムッタキーが継いだ。享年34。

脚注[編集]

  1. a b c d e 小和田『世界帝王事典』P90

参考文献[編集]