仮想通貨の採掘

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マイニングから転送)
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仮想通貨の採掘(かそうつうかのさいくつ、マイニング)は、暗号資産(仮想通貨)の運用方法の1つであり、計算資源を提供する見返りとして少量の仮想通貨を得るものである。計算資源の提供が金などの採掘に例えられることから、マイニングと呼ばれる。仮想通貨の基本システムである分散コンピューティングにより、仮想通貨の交換について検証する計算を行う。これにより、仮想通貨の信頼性を担保しつつ、報酬の存在によって計算車の確保を行える。

利用理由[編集]

この方法は「パソコンさえ動かせば寝ていてもお金が儲かる」とされ、重視されている。仮想通貨が使用できる場所が増え、採掘が爆発的に人気になった。また、Coinhiveなどのブラウザーサンドボックス側で動作するものは寄付の手段としても利用できる。ウェブサイトの作成者が、サイト運営の資金を集めるとき、従来の方法では一度にもらえる金額が多いことがほとんどだが、寄付者は多くない。このようなときに閲覧者に仮想通貨の採掘を行わせることで、運営資金を集めている。なお、エンペディアでは仮想通貨の採掘は行われていない。

Hopepage[編集]

Hopepage」も参照

オーストラリアユニセフは、「Hopepage」を開設した。[1]「ホームページ」と「hope=希望」をかけたサイト名で、仮想通貨の採掘を専門に行う。採掘は許可制で、20%-80%の間でCPU利用率を設定できる。採掘した報酬はロヒンギャ難民に対してのワクチン食糧の支援に使われる。仮想通貨の採掘技術の「正しい」使い方として、後述の事件などのネット上での報道時にしばしば登場する。[2]

企業による採掘[編集]

一部企業では、仮想通貨の高騰によりマイニングによって収益を得ようとする動きがみられた。採掘専用のハードウェアを開発し、電気代の安い所で、大規模なマイニングを行うものである。

このような試みは、大規模な採掘により計算量の過半数を一企業に占められることで、恣意的な計算結果の調整やその検証可能性の喪失をもたらし、仮想通貨の信頼性を下落させる可能性があるとして問題視されることがある。

実行時の要件[編集]

採掘によって収益を得る場合、少なくとも電気代よりも高い採掘結果を得るため、パソコンは高性能でないといけない。そのためCPU、またはそれより並列計算性能が上のGPU(通常は画面描画用だが、計算に使用する場合もある)の、高価かつ高性能なバージョンを使用する必要がある。これにより2018年ごろGPUの値段が上昇し[3]パソコン自作マニアには苦悩となった。

本格的に行わない場合でも、相応の性能は必要である。ただし、電気代を上回る収益が得られるかは確証がない。一部では電気代定額の学生向け等のアパートで採掘を行い、"元を取る"試みもあるとか。

問題[編集]

仮想通貨の採掘は、ウェブサイトJavaScriptを通じて行うこともできる。つまり、無断でウェブサイトの作成者に通貨を与え、閲覧中パソコンを重くするという行為を行うことができる。

日本では、仮想通貨を無断で採掘させパソコンに負荷をかけた(不正指令電磁的記録供用罪)として、仙台地裁は2018年7月2日、20代の被告に懲役1年、執行猶予3年を言い渡した。裁判官は「プログラミング知識・技術を悪用した巧妙な犯行で、社会的な影響は軽視できない」としたものの、情報倫理の学習などに反省の態度が見られたため、執行猶予付き判決となった。[4]

この摘発は反響が大きく、特にJavaScriptの動作が不正指令電磁的記録供用罪にあたるかどうかが大きな論争を呼んだ。現在のウェブサイトでは、様々な動作にJavaScriptを使用している。しかし、それらの動作にいちいち閲覧者の許諾を求めることはなく、考えようによっては無断で閲覧者のPCに負荷を与えているとも考えられる。このように潜在的にすべてのウェブサイトが不正指令電磁的記録供用罪の構成要件を満たしており、警察組織によりすべてのウェブサイト運営者が恣意的な摘発を受ける可能性があると考えられたわけである。

ただし、現在のウェブブラウザは多くにJavaScriptの実行を拒否する機能を設けている。閲覧者にとっては利便性が低下する可能性があるが、これを用いない以上、JavaScriptの実行を受け入れている、つまり閲覧者は許諾を与えているとも考えられる。

また、Coinhiveを自身が運営するウェブサイトに埋め込んだ事件(求刑罰金10万円)では、横浜地裁が被告に無罪を言い渡した。[5]

出典[編集]

関連項目[編集]