バカヤロー解散

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バカヤロー解散(バカヤローかいさん)は、1953年昭和28年)3月14日の衆議院解散の俗称である。この解散に伴って第26回衆議院議員総選挙が行われた。

経緯[編集]

きっかけとして、1953年(昭和28年)2月28日の衆議院予算委員会で、吉田茂首相と社会党右派の西村栄一議員との質疑応答中、吉田が西村に対してバカヤロー」と発言した[1]ことがあったため、こう呼ばれる。

この言葉を吉田は取り消したが、右派社会党はこれを見逃さず、3月2日に吉田の懲罰動議を提出、191対162で可決された。そしてやがて野党により吉田内閣の不信任案が提出された。

3月14日、鳩山一郎石橋湛山河野一郎三木武吉ら22名が自由党を脱党し、229対218で不信任案が可決された。吉田は同日憲法69条にのっとり衆議院を解散した。

質疑の内容[編集]

国会議事録には、吉田が「無礼」「ばかやろう」といった言葉の発言を取り消したため、それらの言葉は伏せ字になっている。本項では斜字であらわす。

(前略)
●西村「時間もございませんから、その程度にして、調査の結果我が国の法規、日本の利益になるようなご回答を煩わしたいということを希望して次の質問に移ります。
過日総理大臣が国際情勢は今楽観すべき状態にあるという施政演説をなさったのであります。私はこの政治感覚を本当に日本の施政の上に適用されるのかどうかということを考えますと、これは明確にしておかねばならぬと思うのでありますが、総理大臣が過日の施政演説で述べられました国際情勢は楽観すべきであるという根拠は一体どこにお求めになりましたか」
●吉田「私は国際情勢は楽観すべしと述べたのではなくして、戦争の危険が遠ざかりつつあるということをイギリスの総理大臣、あるいはアイゼンハウアー大統領自身も言われたと思いますが、英米の首脳者が言われておるから、私もそう信じたのであります。これは最も戦争が平和かという衝に当たっている当事者のいうことであって、相当な根拠があって言っていることであろうと考えましたが故に、戦争の危険は遠のきつつある。こう私は信ずる。こう私は申し上げたのであります。」
●西村「私は日本国総理大臣に国際情勢の見通しを承っておる。イギリス総理大臣の翻訳を承っておるのではない。(中略)そこで私は大臣にお尋ねしたいのであります。イギリスの総理大臣の楽観論あるいは外国の総理大臣の楽観論ではなしに、ヨーロッパは緩和したが、朝鮮の問題を中心にいたしまして、風雲は極東に移りつつあるということを、一九五三年の初頭に際して、日本の総理大臣に日本国民は問わんとしておるのであります。私は現国際情勢というものをご覧になって、しかもわが隣国朝鮮に国際危機の焦点が移っておる、その中に立って一体われわれはどうするのかということを、日本の総理大臣に国民が問おうとしておるのでありますから、私はこれに対しまして、やはり日本の総理大臣としての国際情勢の見通しとその対策をお述べになることが当然ではないか、こう思うのであります」
●吉田「只今の私の答弁は、日本の総理大臣として御答弁致したのであります。私は確信するのであります」
●西村「総理大臣は興奮しない方がよろしい。別に興奮する必要はないじゃないか。」
●吉田「無礼なことを言うな!」
●西村「何が無礼だ!」
●吉田「無礼じゃないか!」
●西村「質問しているのに何が無礼だ。君の言うことが無礼だ。国際情勢の見通しについて、イギリス、チャーチルの言説を引用しないで、翻訳した言葉を述べずに、日本の総理大臣として答弁しなさいということが何が無礼だ! 答弁できないのか、君は…」
●吉田(つぶやいて)「ばかやろう……」
●西村「何がバカヤローだ! バカヤローとは何事だ!! これを取り消さない限りは、私はお聞きしない。議員をつかまえて、国民の代表をつかまえて、バカヤローとは何事か。取り消しなさい。私はきょうは静かに言説を聞いている。何を私の言うことに興奮する必要がある!」
●吉田「……私の言葉は不穏当でありましたから、はっきり取り消します」
●西村「年七十過ぎて、一国の総理大臣たるものが取り消された上からは、私は追究しません。しかしながら意見が対立したからと言うて、議員をバカヤローだとか無礼だとか議員の発言に対して無礼だとかバカヤローとかと言うことは、東篠内閣以上のファッショ的思想[2]があるからだ。静かに答弁しなさい。(以下略)」

(国会議事録より)

出典[編集]

  • 国会議事録
  • 2019年3月29日毎日小学生新聞

脚注[編集]

  1. 字面だけ見ると大声を出したように見えるが、実際は「ばかやろう」という呟きがマイクに拾われたものである。
  2. ファシズムの事。