ハリケーン

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ハリケーンHurricane)とは、大西洋など熱帯亜熱帯の海洋上で発生する熱帯低気圧の一種である。構造や発達メカニズムは熱帯低秋圧に分類される台風とほぼ同一である[1]

概要[編集]

熱帯低気圧の内、北大西洋と北太平洋東部(東部180度以東)に発生し、風速が約33m/s(64ノット)以上の強さに達したものがハリケーンと言われる。台風の強さに相当する風速が約17m/sを超えたものはトロピカルストームと呼ばれる[1]

2006年の台風lokeのように、最初に北太平洋東部でハリケーンとして発生した熱帯低気圧が西に進んで北太平洋西部の海域に入って台風と呼ばれるようになったケースもあり、北大西洋では年間に10個ほどのトロピカルストームが発生し、そのうち6個程度がハリケーンの強さになっている。北大西洋で発生するハリケーンは西に進んで北アメリカやアメリカ中部に上陸するか、大西洋の西部で北に進む経路をとる。北太平洋東部では年ごとに15個ほどのトロピカルストームが発生し、これらは通常は西に移動して北米の沿岸から遠ざかるために被害はほとんどないが、ケースバイケースで稀に北や北東に進路をとってメキシコなど北米の西海岸地域を襲う場合もある[1]

南大西洋でトロピカルストームが発生する事例は20世紀までは確認されていなかった。ところが21世紀に入ってからの2004年ブラジル沖で観測史上初となるトロピカルストームが発生した[1]

ハリケーンが発達するメカニズムは台風と同じで、積乱雲の相互作用の仕組みが重要であるが、この仕組みが働き始めるには何かきっかけとなる現象が必要となる。ハリケーンの場合はアフリカ波動と呼ばれる擾乱が知られている。アフリカ波動とはアフリカの上空で形成し、偏東風によって西に移動する。アフリカ波動が北大西洋に達するとその中の幾つかは暖かい海洋上で積乱雲を活発化してハリケーンを発生させる。アフリカ波動の幾つかは中米の狭い陸地を越えて北太平洋東部まで移動し、そこでハリケーンを発生させる場合もある[1]

なお、北大西洋や北太平洋東部で発生するトロピカルストームやハリケーンには名前が付けられている。例として2005年8月28日メキシコ湾で発生したハリケーンには「Katrina」と名付けられている。各年の最初に発生したハリケーンなどは「A」で始まる名前が付けられ(例としてAna)、2番目に発生したハリケーンにはBで始まる名前(例としてBill)が付けられるように、アルファベット順に名前が付けられている。なお、1970年代後半まではハリケーンに付けられたのは女性の名前ばかりだったが、現在では男性名と女性名が交互で使用されて付けられるようになっている[1]

脚注[編集]

  1. a b c d e f 『風の事典』丸善出版、2011年、68頁

参考文献[編集]

関連項目[編集]