ネットブック

出典: 謎の百科事典もどき『エンペディア(Enpedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動

ネットブック(netbook)とは、ノートパソコンのカテゴリの一つ。同様の設計指向をもつデスクトップパソコンネットトップ(nettop)と呼ばれる。

概要[編集]

ネットブックはそれまでのノートパソコンに比べて小型で限定的なスペックとすることで、比較的安価なノートパソコンとして普及していた。最初のネットブックは2007年に発売されたASUSEee PCであるとされるものの、「ネットブック」という言葉が出たのは翌年2008年のことである。2006年に登場した「UMPC」と似た概念であるが、UMPCにあった機能を廃し、より限定的な機能に絞っている。 当初はASUSなどの海外メーカーがメインだったものの、これらの人気が爆発すると国内メーカーも参入を始め、様々なメーカーがネットブック市場に参入していた。[注 1] 一時は100円パソコンなどと呼ばれ普及したものの、iPadなどのタブレット端末の台頭などにより、2012年を以てネットブックの新規販売は終了したとされる。

スペック[編集]

Intelのモバイル端末向けの省電力プロセッサであるIntel Atom(1.6GHz程度。1コア)と1G程度のメモリの搭載、ストレージも160GB程度である。そのため、既にリリースされていたWindows Vistaではなく、より軽量なWindows XPが採用されていることが多い。初期のEeePCからWebカメラが内蔵されており、ビデオチャット等の利用を前提としている構成であった。 液晶ディスプレイは10インチ程度のものが多い。有線LANだけでなく、無線LANもほとんどの機種で搭載している。

100円PC[編集]

ネットブックは定価で3万程度で購入できるものが多かったが、インターネット回線との同時契約により端末代を100円とする販売店が続出していた。これは回線の料金プランが通常より割り増しであったり、契約の報奨金として回線業者から支払われる金額を充当して実現している。この制度を利用して購入する消費者は多く、2008年度のイー・モバイル回線が100万件近くも増加している一因になっている。なお、トータルで支払う金額には差がないか割高になる。回線契約にもいわゆる「2年縛り」が適用されている。

OS[編集]

使用されるOSはWindowsXPがほとんどである。厳密には「Windows XP Home Edition ULCPC」であり、ULCPC(Ultra Low Cost PC)名の通り、低価格帯のパソコン向けのWindowsライセンスである。このULCPCにはいくつかの要件が指定されている[注 2]代わりに、通常のXPと比べて低価格で提供されている。既に提供されているVistaやその後継である7では動作スペックを満たさない端末がほとんどであり、XPのサポートや出荷を打ち切った場合はこのネットブック市場がLinux等に奪われる可能性もあった。ネットブック市場はマイクロソフトにとっても無視できるほど小さくは無く、苦渋の選択であったともいわれている。

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. SOTEC(オンキヨー)やKOUZIRO(FRONTIERブランド、現インバースネット)など
  2. ディスプレイが一定以下のサイズであること、ストレージが160GB以下など