シンセベース
シンセベース(synth bass)とは、鍵盤楽器の一種。
概要[編集]
シンセサイザーの一種、ベース楽器の一種でもあり、ハードウェアシンセサイザーで、シンセリードの基音と倍音成分の変更により合成された音をエレクトリックベースっぽくした音色。エレクトリックベースの役割をシンセサイザーが担うもの。特徴として、シンセベースの周波数成分は、コントラバスの音域の範囲でも、音高に関係なく、ノートナンバー・キーレンジの全範囲で、基音の音圧レベルを大きく持っているので、基音のエネルギーと低音域の響きを厚くする・増幅する効果が大きく、深く濃厚で厚みがあり、目立ちやすく、ワイドで豊かな低音域と、どっしりとした重厚な音色を持つ響きで、全体的にベース音の重厚感を厚くすることができ、低音域のパワー不足を補うことができる。
コントラバスの音域名を持ち、ポップス(ポピュラー音楽)、ゲーム音楽のBGM、ダンスミュージック及びアップテンポの曲、ヒップホップ、ロック、フュージョンなどで用いられ、ハイクオリティなエンターテインメント性を持つベース楽器で、最低音部を支える楽器で、和音(コード)の基本形や転回形の最低音を担当する。エレクトリックベース及びフィンガーベースの代わりに用いられる楽器。GM128音色では、「シンセベース1」と「シンセベース2」の2つあり、シンセベース1番はレゾベース=レゾナンスベース風で、減衰音で、シンセブラスやベース&リードのような、明るく輝かしく、力強いサウンドで、シンセベース2番はスムーズベース風で、持続音で、倍音成分がやや少なく、暖かくダークで、メロー系の音色で、柔らかい音色(ソフトなサウンド)である。音の立ち上がりは両方とも早く、アタック音が強い。音の明るさと音量は、ベロシティやカットオフフィルターにより変化する。音域・キーレンジは、実音で表記すると、音名と周波数は、C0(約32.7Hz)~C3(約261.63Hz、真ん中のド)の3オクターブ(37鍵)が標準である。コントラバスオクターブ(C0~B0)+バスオクターブ(C1~B1)+テナーオクターブ(C2~B2)の音域をカバーする。一部の製品には、最低音F-1(約21.83Hz)までの低音域を拡張し、重低音を増大し、F-1(約21.83Hz)~C3(約261.63Hz、真ん中のド)のものもある。最低音F-1(約21.83Hz)は、サブコントラバスの音域で、5弦ベースの最低音の半音6つ下で、88鍵のピアノの最低音より半音4つ下の音で、88鍵のピアノの音域外の周波数の音高である。F-1(約21.83Hz)は、パイプオルガンの音域で、実際使う最低音の周波数でもある。オクターブシフト機能を使用した場合、ノートナンバーの全音域:0(C-2、約8.18Hz)~127(G8、約12543.85Hz)も発音できる。
吹奏楽や金管バンドではオプションの楽器として使われる。
※440Hz=A3
シンセベースの音域の種類は、鍵盤数では、
- C0(約32.7Hz)~C3(約261.63Hz)の37鍵の3オクターブ…「moog SUB 37」「Roland Gaia SH-01」
- A-1(27.5Hz)~C3(約261.63Hz)の40鍵、3オクターブ+半音3個=3オクターブちょっと…最低音は、88鍵のピアノの最低音と同じ周波数と一致
- F-1(約21.83Hz)~C3(約261.63Hz)の44鍵
音域の鍵盤図[編集]
- 一般的な音域、標準タイプ=37鍵の3オクターブ
─黒鍵────白鍵─── ──────┐ C3 ──────┤ B2 Bb2■──┤ A2←220Hz Ab2■──┤ G2 F#2■──┤ F2 ──────┤ E2 Eb2■──┤ D2 C#2■──┤ C2 ──────┤ B1 Bb1■──┤ A1←110Hz Ab1■──┤ G1 F#1■──┤ F1 ──────┤ E1 Eb1■──┤ D1 C#1■──┤ C1 ──────┤ B0 Bb0■──┤ A0←55Hz Ab0■──┤ G0 F#0■──┤ F0 ──────┤ E0 Eb0■──┤ D0 C#0■──┤ C0 ──────┘
- 40鍵の場合
─黒鍵────白鍵─── ──────┐ C3 ──────┤ B2 Bb2■──┤ A2←220Hz Ab2■──┤ G2 F#2■──┤ F2 ──────┤ E2 Eb2■──┤ D2 C#2■──┤ C2 ──────┤ B1 Bb1■──┤ A1←110Hz Ab1■──┤ G1 F#1■──┤ F1 ──────┤ E1 Eb1■──┤ D1 C#1■──┤ C1 ──────┤ B0 Bb0■──┤ A0←55Hz Ab0■──┤ G0 F#0■──┤ F0 ──────┤ E0 Eb0■──┤ D0 C#0■──┤ C0 ──────┤ B-1 Bb-1■──┤ A-1←27.5Hz ──────┘