キス (魚)

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キス(鱚)とはスズキ目スズキ亜目キス科に属するであり、シロギスアオギスなどを総称するものでもある。天ぷらが美味しい。地方にもよるが、単にキスと言った場合はシロギスを指すことが多いとか。

概要[編集]

シロギスは細長く円筒形の形の魚であり、20cmくらいの体長のものが多くみられる。日本近海では大きくても35cm程度であるものの、オーストラリアには50cmを超える種類もみられるとか。透明感のある色味やその繊細な味わいから「海の貴婦人」「海の女王」などと称される。癖のない味であり、ふっくらとした白身は天ぷらにすると絶品である。

秋田地方ではキスをキシゴと呼ぶほか、キシゴ腹という言葉もある。これはキスの内臓がほかの魚よりも少なくきれいに見えることから、正直で裏心のないような人をそう呼ぶらしい。同じように海の貴婦人と称されるほど美しい見た目であるが、「腹黒」の語源となったともいわれるサヨリとはえらい違いである。

釣り[編集]

ボートでの沖釣りで釣れるほか、砂浜からの遠投、所謂サーフにおける定番魚でもある。キスは味も良く、天ぷらでも刺身でも美味しくいただけることから人気も高い魚種である。

根がかりの虞が少ない砂地でよく釣れるほか、群れでいることが多いため数も期待できることなどからキャスティングさえできれば初心者でも楽しめるといわれている。一部の堤防からも狙うことができるといわれており、岸に寄って来るシーズンでは堤防からの投げ釣りも盛んになる。

かつての東京湾では、アオギスを狙って干潟脚立を立て、そのうえで釣りを楽しむ脚立釣りが親しまれており、江戸時代にはすでに定着していたといわれている。しかし、東京湾では干潟の埋め立てが進んで釣り場もなくなったこと、対象であったアオギスは東京湾では絶滅したとされている。

食材[編集]

キスは淡泊な白身魚であり、身の柔らかさを生かした天ぷらや癖のない刺身が人気である。また、江戸前三大天ぷらの一角をなすほど天ぷらとしての人気は高い[注 1]。縁起の良い魚としても扱われ、徳川家でもよく食べられていたと言われている[2]
かつて有機水銀やカドミウムなど生物濃縮による重金属による健康被害や、PCBなどの有機物質の危険性が指摘されていたが、保健所の調査によって「東京湾の魚にはその心配はない」と公表されている。ただし東京湾にもトラフグはフツーにいるので、なんでもかんでもそのまんま食えるわけではない。ところがアオギスだけはサンプルが採集されないため(絶滅したという)、いまだに「喰えるか喰えないのかわからない」という魚種である。
つーても東京湾にもフツーにイルカはいるのでアニサキスもおり、東京湾産の天然クルマエビを食って中毒を起こすこともあるので、そのあたりは自己責任でお願いしたい。

関連項目[編集]

注釈[編集]

  1. なお、残りの二つはギンポメゴチとされている[1]。どれも天ぷらがうまい白身魚である

脚注[編集]