カタルーニャ自治州

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カタルーニャ自治州(カタルーニャじちしゅう、Cataluna)とは、スペイン北東部の自治州の一つである。ピレネー山脈南麓から地中海沿岸までを占める。人口1999年の時点で614万8000人。2018年の時点でおよそ750万人である。カタルーニャの名は先住民であるカタルーニャ人の名に由来する。英語名ではカタロニアCatalonia)。面積は3万2113平方キロメートル。州都バルセロナ

概要[編集]

ヘロナ、バルセロナ、レリダタラゴナの4から成立する州で、公用語カタルーニャ語カスティーリャ語を併用している。

この地はフェニキアカルタゴローマ帝国フランク王国と様々な勢力に支配されて、986年に独立を果たした。1137年アラゴン王国と合体して連合王国を結成する。この地は地中海貿易の中心地として飛躍的な繁栄を遂げたのだが、スペイン王国が統一を達成すると逆にカスティーリャの中央集権化に反発して独立運動を展開するなど、独立性の強い州であった。

スペイン第2共和制の成立に伴い、1932年1934年1936年自治政府を発足させるなど独立性の強さはなおも続いたが、スペイン内乱フランシスコ・フランコが政権を掌握するとその支配下に入らざるを得なくなる。1979年に自治州として成立し、カタルーニャ語とカスティーリャ語が公用語として定められた。

商工業が盛んで豊かな地域で、住民の多くがカタルーニャ語を話すなど独自の文化を持っている。同じように民族意識の強い北部バスク自治州などと共に、他の自治州より財政面などで高度な自治権が認められている。2010年前後におけるスペインの経済危機で住民がスペイン中央政府の対応に不満を募らせたのを背景にして、独立派が州議会の多数となり、州政府が住民投票実施の動きを進めた。しかしスペイン中央政府は独立を認めず、2017年10月19日憲法に基づく州自治権停止の措置をとった。スペイン本土の自治権停止は1978年の民主憲法施行後では初となる。

カスティーリャ地方とは異なる独自の文化圏を形成し、スペイン国内では最も工業化の進んだ先進地域であり「スペイン経済の心臓部」と言われており、繊維や重化学、石油などの工業が盛んである。反マドリード感情が非常に根強い。1992年には当地でバルセロナオリンピックが開催されたが、これを機に民族主義的な分離独立の動きが強まるという皮肉な結果を生んでしまっている。

外部リンク[編集]