オーテック・ザガート・ステルビオ
オーテック・ザガート・ステルビオとは、日産系列のオーテックジャパンがイタリアのザガートと共同開発したクーペスタイルの乗用車である。フェンダーミラーを内蔵した奇抜なボディスタイルが有名。
本記事では派生モデルのザガート・ガビアについても記述する。
概要[編集]
2代目レパード(F31系)をベースにアルミ製のボディに作り替えられ、ベース車の面影をほとんど残さないといっていいほど別の車となっている。実際に型式認定も新たに受けており、レパードとは独立した車種として位置づけられている。ザガートの手によるスタイリングは直線的なシャープなデザインとなっており、ベースが日本車であるとはにわかに感じがたいものである。そのデザインにおける最大の特徴がボディに埋め込まれたフェンダーミラーである。フェンダーミラーを覆うようにボンネットがデザインされており、パワーバルジとは違ったダイナミックなデザインとなっている。なお、フェンダーミラーを包むようなデザインであるためボンネットの開口スペースが大きくなっている。ヘッドライトとフロントのウインカーは日産・シルビア(S13型)からの流用である。なお、このボディ造形は職人のハンドメイドで製作されていたという。
搭載されるエンジンは日産のV型6気筒エンジンであるVG30DET(二代目レパードなどに搭載されたシングルターボエンジン)がオーテックジャパンによりチューニングされたものが搭載される。海外仕様であったため馬力280馬力の自主規制や180km/hのリミッターを装備しておらず、300馬力で最高速度241km/h(150マイル)を達成していたという[1][注 1]。
バブル期の車だけあってインテリアも充実しているのも特徴であり、BOSE製のオーディオが搭載されるほか、ダッシュボードは本革やベルベッドが使用され、木目パネルも追加されている。シートも本革であるなど、随所に贅を凝らした仕様になっている。
このような手のかかる製造工程と充実した装備などにより、1750万円という超高価な価格であった。なお、受注を受けてから製造するため、納車には1年から1年半程度の期間が必要であった。これらの価格や納期が原因となったかは定かではないものの、200台限定だったものが100台程度しか製造されなかったといわれている。
ザガート・ガビア[編集]
1991年、ザガートからレパードをベースとしたザガート・ガビアが発表される。ステルビオの面影を残しつつ、ドアミラー化や精悍で気品のあるデザインとなっている。ザガートの30周年記念モデルであり、限定30台(そのうち16台が日本に輸入された)が発売された。パワートレーンとインテリアはステルビオとほぼ同様である。なお、こちらの価格は880万円と比較的おとなしめである。