オランダ風説書
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オランダ風説書(オランダふうせつがき)とは、江戸時代に江戸幕府が鎖国中に国交を樹立していたオランダから入手した外国の情報を記録した機密書類である。阿蘭陀風説書、和蘭風説書とも言われた。
概要[編集]
江戸幕府は鎖国している間も、外国事情を長崎に渡来した外国船から聴取はしていた。オランダの場合は長崎の出島にいたオランダ商館長が江戸に到来する際に、征夷大将軍に風説書を献上する形が取られていた。この風説書が江戸幕府の外国事情を知る唯一の情報網であり、またこれは機密扱いとされて幕府高官以外は目を通すことは許されなかった。そのため、江戸時代の庶民などは外国の事情などは全く知らなかった。
アヘン戦争以降になるとオランダは、諸外国の新聞の情報などを別段風説書としてもたらし、幕末の到来となるマシュ・ペリーの黒船来航についてもオランダは事前に幕府に風説書で知らせていたといわれている。
なお、江戸幕府は清とも国交は樹立しており、そのためオランダとは別に清からも唐船風説書を入手していた。
外部リンク[編集]
- 『安政四年丁巳別段風説書並添書』 - 京都外国語大学 : 1857年(安政4年)12月に長崎鎮台に対しオランダ商館長のヤン・ドンケル・クルティウスがオランダ風説書とともに提出した別段風説書を1858年(安政5年)1月に翻訳したもの