アスペルガー症候群
アスペルガー症候群とは、自閉スペクトラム症候群のうち、高機能(IQ テストで70 以上)のものをいう。
「汎用型ではなく特化型の人間である」という意見もあり、「IQ テストでデコボコがあって平均が 70 以上」という事例はアスペルガー症候群と診断されがちである。
概要[編集]
精神症あるいは神経症としては、
- 当事者が苦痛である。
- 家族や上司などが迷惑する。
というのが基本的な考え方である。
つまり、「当事者が苦痛を感じている」ことに対して「家族や上司などが迷惑する」という、「当事者の都合 VS 社会的な都合」の話であり、医者や教育者が介入するのは本来的には難しい。
かつては差別用語とされたアスペは、「高機能広汎性発達障害」「高機能自閉症」が「アスペルガー症候群」(ハンス・アスペルガーに由来する)とされて「カナー型自閉症」(レオ・カナーに由来する)とは別枠とされていた時代が長かったが、現在では「自閉傾向があることを自認し、公言する」ことが一般化しつつあるので、逆に当事者側から「未診断」とされて肩身の狭い思いをしたりする。「こころの手帖」「愛の手帖」とか持っていないと、軽々しく「アスペ」を自称できない。当事者としては、当事者に対して肩身が狭い反面、世間において認知が広まっていることから、悲喜こもごもであって苦笑しているのが現在である(笑)。
「興味のある事柄には高い集中力を示し、興味のある範囲では優れた才能を発揮するが、興味のないことには眼中にないというか、そもそも認識すらしていないような傾向が見られる」という評価もあるが、むしろ「興味のない事柄に高い集中力を示し、興味のないことにも周囲の目を気にしてお追従(興味があるふりをする)」という「健常者」のほうが異常なのではないかと思う。「興味があり、自分が知っていること」を開示し、「興味はあるが、自分が知らないこと」に熱中するのは人間として当然であり、「知識もなく興味もないことに対してお追従笑いをしつつ、いい加減な相槌を打ち聞き流す」というのは、自閉当事者ならずとも「気持悪い」と思う。「こういうタイプの人間は部下にしたくない」と、孔子も述べている。
「社会性を身に着けていない」とされる事もあるが、実力が試される同業者のコミュニティにおいてリーダーとしての役割を果たしていたりもする人もいるが、そういう人は自分のことをアスペルガー症候群であるとは思ったこともないので、単なる自閉である。医療上の「アスペルガー症候群」とは別枠である。
「物事を文字通りに解釈する傾向が強く、遠回しな表現は通用しない事が多い」と云われるが、定型発達者は「なぜ私が言うことを是認・共感してくれないのか」という圧力が鬱陶しいだけであることも多い。
「物事を文字通りに捉えるため、マニュアル通りの行動はたぶん得意で、曖昧な表現を解釈するのは苦手。」と云われ、「個人の感想ですが」という話はあるが、属事的な解決策があるのなら、その通り行動するだけである。
「沢山のガイドラインに目を通した上での行動が求められるウィキペディアンとしてはうってつけの逸材かもしれない。」という見解はあるが、「おでん屋」は意外に天職かもしれない。農家や造り酒屋もいけそうだ。
副次症状[編集]
周りに馴染めずいじめを受けたりしてうつ病を発症をしやすい。これは、マイノリティ全般に通じるものである。結果として自殺などに至りやすいという傾向もある。
性差[編集]
「男性に多いが、女性は出ると重い」というのが当事者間および関係者間の現時点における通説ではあるが、この点については「ジェンダーの違いであり、社会的に背負わされている性的役割が異なる」ことによるのかもしれない。
じっさい、「こっち側の人間は、お互い臭いで判る」という男性の当事者はけっこう多いが、女性の場合は「女らしさ」というジェンダーによってマスクされてしまって嗅ぎとりづらい。