いいなかライナー号
いいなかライナーとは、長野県飯田市と岐阜県中津川市を中央自動車道経由で結んでいた高速バスである。
概要[編集]
飯田・中津川間は、国鉄中津川線開業が予定され、飯田線経由の急行「伊那」に代わる列車運行も噂されていたが頓挫。中央自動車道経由の中央道高速バスも中津川では中心市街地南西の千旦林にある中津川IC停車で、中心市街地に近い駅前に乗り入れず、両市間の交通は便利といえなかった。
そこで、1998年にジェイアール東海バスと信南交通の共同運行で設定された。中津川側の北恵那交通は参画しなかった。
JR東海としては、中央道高速バス飯田系統に対抗する形であり、中央道高速バスが名古屋・飯田を安価な運賃で乗換なしで結ぶことを最大のセールスポイントとしていたのに対し、いいなかライナーは中津川駅で特急「しなの」もしくはセントラルライナーに乗り換える必要はあるが、所要時間が1時間40分程度と中央道高速バスよりも20分程度短い速達性や中央道高速バスが不便な千種や高蔵寺からも利便がよいこと、名古屋市内の渋滞に左右されない高い定時性をセールスポイントとしていた。
しかし、1便あたりの平均乗客数は1桁に留まり、どんなに早くても名駅までに乗換が必要というデメリットか顕在化。2002年(平成14年)にはオアシス21が竣工して、中央道高速バスの栄や千種からの利便も良くなったことから、2003年に信南交通が撤退。JR東海バスによる単独運行となったが、2004年に廃止された。
なお本路線は少ないながら飯田・中津川の相互需要の発掘に貢献したらしく、いいなかライナーの廃止が決定した際には飯田市が中央道高速バス飯田系統を中津川へ停車させるようバス会社へ陳情した。
その結果、実際に飯田系統が中津川インターに停車するようになったものの、中津川市街地近くのバスストップ新設ではないため、飯田市街地に乗り入れる飯田系統の停車は長くは続かず、飯田・中津川の高速バスによる相互移動は、上飯田BSに停まる中央道高速バス駒ヶ根・伊那系統を利用するのがメインとなっている。
運行会社[編集]
停車バス停[編集]
- 直行 中津川駅 - 淀川 - 三菱工場前 - 中央道馬篭 - 中央道昼神温泉 - 伊賀良 - 飯田駅
- 昼神温泉経由 中津川駅 - 淀川 - 三菱工場前 - 中央道馬篭 - 園原 - 昼神温泉 - 阿智 - 伊賀良 - 飯田駅
車両[編集]
- 4列シート
割引乗車券[編集]
- 名古屋・飯田しなの&バス回数券
- いいなかライナーの乗車券と特急しなのの自由席特急券・名古屋-中津川間の乗車券がセットになった割引回数券。
- 名古屋・飯田ライナー&バス回数券
- いいなかライナーの乗車券と快速セントラルライナーの乗車整理券・名古屋-中津川間の乗車券をセットにした割引回数券。