Valve
Valve Corporation(バルブ・コーポレーション)とは、アメリカ合衆国のコンピュータゲームの会社である。代表作は『Half-Life』、『Left 4 Dead』など。また、PCゲーム配信サイト「Steam」(スチーム)を運営していることでも知られている。
概要[編集]
Microsoftの元社員、ゲイブ・ニューウェルとMike Harrington氏によって1996年に立ち上げられた[1]。Microsoft時代にはゲイブはWindowsの開発にも関わっていたらしく、イースターエッグにその名前を確認することもできる[2]。1998年発売のデビュー作『Half-Life』で一躍有名となった。また、Valve製のゲームを配信するプラットフォームとして『Steam』が2003年に解説された。『Steam』は現在ではさまざまなパブリッシャーのゲームを配信しており、2022年6月現在で最も有名なダウンロード販売プラットフォームの一つとなっている。その後も『Half-Life 2』、『Portal』、『Left 4 Dead』シリーズなどヒット作を次々とリリースしており、2020年には初のVR専用タイトル『Half-Life: Alyx』を発売した[3]。
開発した主なゲーム[編集]
- Half-Life
- 1998年発売の、Valveのデビュー作となるシングルプレイヤーFPS。主人公である理論物理学者・ゴードン・フリーマンが、実験の失敗によって現れたエイリアン、そして事態をもみけそうとする海兵隊との三つ巴の戦いを演じる。カットシーンを用いずにゲームの中で起こることをすべて主人公の視点から描く手法や、AIの優秀さなどが生み出す没入感が評価された[4]。またコミュニティによって多くのMODが制作され、下述のCounter-Strikeのように独立のゲームとしてリリースされたものも存在する。拡張パックとして、海兵隊の一兵士、エイドリアン・シェパードを主人公とする『Opposing Force』、警備員の一人、バーニー・カルフーンを主人公とする『Blue Shift』、そしてPS2版のHalf-Lifeに同梱されたCo-opアドオン『Decay』が存在する。
- Half-Life 2
- 2004年発売[5]の、Half-Lifeの続編となるシングルプレイヤーFPS。前作に引き続き主人公であるゴードン・フリーマンが、異星文明『コンバイン』に支配された東欧の都市「City 17」でのレジスタンス運動へと身を投じる。前作と同様カットシーンを用いずに描かれるストーリー、当時としては美麗なグラフィックに優秀な物理エンジン[6]、そしてより深く登場人物を掘り下げるストーリーなど、プレイヤー体験を重視したゲームデザインが前作同様高く評価された。この作品においても公式によってSDKが配布され、もっともMOD開発コミュニティが活発なゲームの一つとなっている。その後を描く『Episode 1』、『Episode 2』が相次いでリリースされ、さらに『Episode 3』は2007年のクリスマスに発売される予定であったが、延期を繰り返した末に2022年6月現在に至るまで発売されていない。また、『Return to Ravenholm』なるスピンオフがArkane Studioによって開発されていた[7]。
- Portal
- PlayStation 3、Xbox 360、PC向けアクションパズルゲーム。
- 舞台は謎の実験施設「Aperture Laboratories」。空間どうしをつなぐ穴を開ける銃「ポータルガン」を用いて、課されるパズルに取り組む。段階を踏んで難易度の上がっていくレベルデザインにより、ポータルガンを用いた独自のテクニックを自然に身につけられるようになっている。[8]。The Orange Boxのおまけとして開発された。関連作品に、Bridge Constructorとコラボした、Bridge Constructor Portalなどもある。後に、続編のPortal 2が配信された。2022年には、1と2がセットになったPortal: コンパニオンコレクションがNintendo Switch独占で配信予定。
- Counter-Strike
- 対テロ特殊部隊とテロリストとの戦いをテーマにした対戦FPS。元はハーフライフのMODだったが、公認されシリーズ化している。最新作はCS:GOで、Steamではトップクラスの人気を誇っている。
3がカウントできない[編集]
実はValveは今までに、「3」のつくタイトルのゲームをリリースしたことがない。Half-Life 2はEpisode 2で止まって15年以上が経過したし、Portalは2できれいな終わり方をしたため3が出る見込みはいまのところない。『Team Fortress』も『Left 4 Dead』も、『Day of Defeat』も2で止まっており、続編の話はいまのところ出ていない。海外コミュニティではこの状況をネタにして、「Valveは3までカウントできない(valve can't count to 3)」とよく言われる[9]。それを題材にした歌まで作られてしまった上に、CEOみずからカメオ出演する始末である[10]。また、13年の時を経てやっとリリースされたHalf-Lifeシリーズ最新作の名は、まるで3を避けたかのように『Alyx』だった。そのため、Valveの中では数字が「1、2、Alyx」と続くともネタにされる。
Valve Time[編集]
Valveはまた、ゲームの発売日の延期を繰り返すことでもネタにされている。とくに、Half-Life 2においては開発途上でのストーリーの大幅な変更やリーク騒ぎなどもあって度重なるリリース延期を繰り返した[11][12]ほか、Half-Life 2 EP3に至っては発売予定日を15年過ぎてもいまだにリリースされていない(2022年6月現在)。このようなことから、海外コミュニティではValveでは現実と異なる時間が流れているとして、「Valve Time」と呼んで揶揄される向きがある。もっとも他パブリッシャーにおいても、近年ではクオリティ確保の問題での発売日延期は珍しいことでもない気がするが。
脚注[編集]
- ↑ “「Half-Life」から「Portal 2」まで、Valveの主な歴史を1枚にまとめた素敵インフォグラフィック”. 2022年6月17日確認。
- ↑ “Gabe Newell has been hiding in a Windows 1.0 Easter egg for 36 years”. 2022年6月17日確認。
- ↑ “「Half-Life」シリーズの最新作、PC用VR「Half-Life: Alyx」がSteamにて本日発売!”. 2022年6月17日確認。
- ↑ “「Half-Life」はなぜ歴史的な名作なのか”. 2022年6月17日確認。
- ↑ “「ハーフライフ2」ついにアンロック開始! プレイ可能に”. 4Gamer.net. (2004年11月16日)
- ↑ “[E3 2003#053]E3最大の目玉!? 「Half-Life2」の衝撃ムービーを見た!”. 2022年6月17日確認。
- ↑ “かつてArkaneが開発を手掛けていた未発表タイトル「Half-Life 2: Return to Ravenholm」の新たなスクリーンショットが登場”. 2022年6月17日確認。
- ↑ “【連載】遊び逃している名作ゲームはありませんか?『Portal(ポータル)』発売から12年以上!それでも推したいパズルアクションFPSの名作!/ゴールデンゲームハンマー第30回”. 2022年6月17日確認。
- ↑ “【どうしても「3」がわからないゲイブの録音風景描く『Dota 2』メガキルアナウンス映像―「2より大きく4より小さい」”. 2022年6月17日確認。
- ↑ “ゲイブ・ニューウェル氏やGLaDOSの声優もカメオ出演!Valveをテーマにしたファンメイドソングが登場”. 2022年6月17日確認。
- ↑ “「Half-Life 2」が発売延期に!”. 4Gamer.net. (2003年7月31日)
- ↑ “「Half-Life 2」は来年に延期!”. 4Gamer.net. (2003年10月8日)